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猫のピクピクって何のサイン?痙攣の原因となる5つの病気と注意点

猫がピクピクッと体の一部を痙攣させるのを目撃したことがある飼い主さんは、多いのではないでしょうか。でも、ピクピクッとした痙攣が長く続くと、病気のサインではないかと心配になるものです。安心できるピクピクッと病気のサインであるピクピクッはどう違うのでしょう。

猫は敏感な動物

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猫は、動体視力が良い代わりに視力は低く、静止している物については、ぼんやりとしか見えていません。その代わりに嗅覚や聴覚が発達しています。遠くから飼い主さんに名前を呼ばれても、返事をする気のない時は、片耳だけをピクリと飼い主さんの方に向けたり、飼い主さんが気づかない音をキャッチして突然両耳をピクリと音の方向に向けたりする様子を見かけることがあります。また、愛猫の顔を撫でている時に、うっかりヒゲを触ってしまったり、不意に背中を触ったりすると、皮膚をピクピクッとさせます。

このように、猫はその鋭い感覚から、よくピクピクッとした動きを見せます。でも、そのピクピクッが一瞬ではなく、ある程度長く続くと、飼い主さんは「どこか悪いのかな?」と心配になることもあるのではないでしょうか。今回は、猫のピクピクッとした痙攣のような動作について、安心して良いもの、心配すべきものを整理したいと思います。

眠っている時のピクピクはあまり心配しなくても大丈夫

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猫と一緒に暮らしている方は、猫が眠っている時に小さい声を出したり、足を動かしたりしているところを見たことがあることでしょう。それを見て、「猫も夢を見ているんだなぁ」と思った方は多いと思います。睡眠には、ノンレム睡眠という身体も脳も眠っている状態と、レム睡眠という身体は眠っているが脳は起きている状態があります。ノンレム睡眠の時には、身体だけではなく脳も休みます。しかしレム睡眠の時には、脳は昼間経験したことを復習し、記憶を定着させています。この状態の時に、人は夢を見ているのです。

ノンレム睡眠とレム睡眠の周期などは異なりますが、猫の睡眠も人の睡眠と同じ仕組みになっているため、猫もレム睡眠中に夢を見ており、それに反応して、声を出したり足をピクッと動かしたりしているのだそうです。この場合、足などがピクッと動いている時間が長かったとしても、ピクピクピクピク…と痙攣が長く継続しているというよりも、ピクッ、ピクッと断続的な痙攣が数分続くといった感じのことが多いようです。このような場合は、人の寝言と同じような現象ですので、心配することはありません。そのまま静かに夢を見させてあげましょう。

起きている時のピクピクッは注意が必要

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起きている時のピクピクッは、ちょっと性質が異なります。病気が原因となっている場合があるからです。ただし、冒頭で述べたような、何かに注意を向けた時、急に触られた時のピクッは心配する必要はありません。これは、猫の様子を見ていれば、自然に判別できると思います。では、気をつけなければいけない病気のサインであるピクピクッという痙攣には、どういったものがあるのでしょうか。

明らかな痙攣は要注意

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ピクッとした痙攣の場合は、一瞬で終わってしまうものがほとんどです。夢のように数分続く場合でも、断続的にしか痙攣しません。ピクッとするのも、身体の一部だけということが多いです。しかし、ピクッという短い痙攣が断続的に続くのではなく、ピクピクピクピク…と痙攣が数秒〜数分継続する場合は、病気が原因のことが多いのです。身体の一部だけが痙攣している場合もそうですし、全身が大きく痙攣している場合も同じです。

また、全身が大きく痙攣する場合は、ピクピクッなどというレベルではなく、映画の「エクソシスト」や「遊星からの物体X」のような、異形の世界から来たのではないかと思われるような、想像を絶する動きをすることすらあります。そこまで大きな発作ではなくても、ピクピクッとした痙攣がある程度の時間継続する場合は、病気や怪我を疑うべきです。

痙攣の原因となる病気にはどんなものがある?

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では、症状として痙攣を起こす病気にはどのようなものがあるのでしょうか。代表的な原因について、みていきましょう。

脳・神経疾患

てんかん、頭の怪我(脳の損傷)、脳炎、脳腫瘍などの、脳や神経の病気(損傷)です。脳の先天性の異常なども含まれます。大きな発作は、前述の全身発作で、脚などは突っ張った状態になり、発作の最中の猫には意識がありません。発作中に失禁したり泡のようなよだれを流したりすることもあります。発作中の猫には意識がないので、飼い主さんが猫のためにと思って猫を抱き上げようとしたり、舌を噛まないようにと口を抑えようとすると、噛まれたり引っ掻かれたりして怪我をするかもしれません。

猫の身体に触るのではなく、猫の周囲にある物を退けることで、猫の安全を確保してあげましょう。筆者と一緒に暮らしている猫は、脳腫瘍と診断されました。早朝に全身発作を起こし、布団から急に後肢で立ち上がり、そのまま硬直した状態で真っ直ぐ前進し、ぶつかった椅子にもたれかかるような状態で止まったことがあります。発作は数秒〜数分で治りますが、治った後も、猫はしばらくボーッとした状態です。できれば辺りを薄暗い状態にして、猫を静かに落ち着かせてあげましょう。発作は、必ずしも全身発作という訳ではありません。身体の一部のみが痙攣する部分発作もよく起こします。

前述の我が家の猫は、薬で症状が治まっているためか、最近は部分発作しか起こしません。しかし、発作の前に何か感じるものがあるのでしょう。私の隣に来て「抱っこしてくれ」アピールをし、抱き上げてしばらくすると部分発作を起こすことが多いです。こういう痙攣の場合は、動物病院に連れて行って診断を受けてください。確定診断のためにMRIを受けると高額の医療費が掛かります。高齢猫の場合は全身麻酔のリスクもあります。しかし、MRIを受けなくても神経の検査や飼い主さんの情報から診断を行い、薬を処方してくれます。

低体温症

筆者がまだ若い頃、徹夜で仕事をしていた時に、明け方近くになり、身体中が震えて止まらなくなったことがありました。今思えば、低体温症だったのではないかと思います。同じように、猫も寒い場所に長時間いた場合や濡れた状態で長くいた場合などには低体温症になります。低体温症の場合、猫は元気が無く、身体が冷たくてこわばり、呼吸が少なくなり、そして継続的にブルブルと震えている状態が続きます。こういう時は、まず猫の身体を温めましょう。暖房する、タオルや布団で温める等です。ただし、あまりにも急激に温度が上がってしまうと、逆に猫はショック症状を起こしますので、そこは注意しながら温めてあげましょう。

骨折、内臓破裂

外猫は怪我のリスクが多く、完全室内飼いの猫には怪我のリスクが少ないと安心している飼い主さんも多いかもしれません。しかし、ドアに挟まれる、高齢猫で筋肉が弱り骨も脆くなったため、ちょっとした段差から降りた時に骨折する等、家の中でも怪我のリスクがあるのです。十分注意してあげてください。

低血糖症、低カルシウム血症

血液中の糖分やカルシウムの濃度が低くなる症状です。低血糖症は栄養不足、内臓疾患、糖尿病などが原因で起きます。低カルシウム血症は、栄養不足、有毒物質による中毒、その他の疾患が原因で起きます。特に、猫の手の届く範囲に猫が食べてはいけない物(チョコレート、ネギ類、コーヒー、殺虫剤等)を置きっ放しにしないように注意してください。

尿毒症

腎臓の機能が低下することにより、血液中の老廃物が排出されずに起こる症状です。腎臓病は、猫が罹りやすい病気の代表格と言っても良い病気です。日頃の健康管理として、1年に1度は健康診断(血液検査や尿検査を含むもの)を受診させる、塩分過多な物を食べさせない等を行いましょう。

見分けがつかない場合は病院に相談しよう

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猫がピクピクッとする痙攣について整理してきました。しかし、実際には病気が原因なのか、正常な反応としてのピクッなのかについて、迷うことも多いと思います。少しでも心配だと思った場合は、まず動物病院に連れて行き、獣医師に相談してみましょう。その際、痙攣を起こしている時の様子や発作の継続時間などを、できるだけ詳しく説明できるようにしましょう。獣医師に言葉で説明するのはなかなか難しいです。着眼すべき点も、我々飼い主にはよくわかりません。できれば、痙攣の様子をスマホ等で撮影してください。それを獣医師に見せることができれば、より正確な診断をしてもらえるでしょう。

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