猫のよだれの9つの原因と3つの予防方法【永久保存版】

一昔前は、人と一緒に暮らしている動物の多くは犬でした。そして、犬はとてもよくよだれを流す動物です。そのイメージが強く、猫がよだれを流していてもあまり気にしない飼い主さんもいるようです。しかし、猫のよだれには心身の異常を示すサインが多いのです。猫のよだれについて整理してみましょう。

猫のよだれは危険のサインが多い

黒猫

犬はよくよだれを流しますが、猫は、本来よだれはあまり流しません。だからこそ、猫がよだれを流していたら心身の異常のサインだと思うべきです。もちろん、よだれの全てが悪いサインという訳ではありません。しかし、身体の異常やストレスが原因でよだれを流していることの方が多いようです。では、どのようなよだれだと危険のサインなのでしょうか。そして、どのような原因を疑うべきなのでしょうか。今回は、猫のよだれについて、整理してみましょう。

猫のよだれの原因9つ

猫

唾液が出るきっかけは、食べ物のにおいや口内への物理的な刺激です。それとは別に、口内に痛みを感じた時や異物感がある時にもよだれが出ます。犬は、暑い時の体温調節ではぁはぁと口で呼吸をし、その時によだれを流したり、ご馳走を前に「待て」をしている時によだれを垂らしたりしますが、猫にはそういうことはありません。猫がよだれを垂らすというのは、普通の状態ではないというサインなのです。では、猫がよだれを流している場合、どういう原因があるのかについてみていきましょう。

口内トラブル

まずに疑われるのは、口内トラブルです。たとえば口内炎や歯周病に罹っている、口内を怪我している、口内に腫瘍ができているといった場合で、治療が必要な状態です。猫がよだれを流していたら、まずは口内をチェックしましょう。その時、口臭がきついと感じたら、口内炎の可能性が高いです。また、歯肉や口内の粘膜が赤く腫れていたら、口内炎や歯周病なので、動物病院に連れて行きましょう。

通常のよだれは透明でさらさらしていますが、よだれに血が混じって茶色っぽくネバネバしているような場合は、口内に腫瘍ができている可能性が高いです。舌や歯肉にできたしこりがただれたり潰瘍ができたりして、そこから出血しているのかもしれません。猫の場合、口の中にできる腫瘍は扁平上皮がんのことが多いと言われています。口の中を怪我して血が混じっている場合もありますが、とにかく血の混じったよだれを流していたら、動物病院に連れて行きましょう。

顎の骨を骨折した時も、よだれを流します。この場合は、口を閉じられずに開けっぱなしにしています。やはりすぐに動物病院に連れて行きましょう。いずれにしろ、猫の口内には細菌がたくさんいます。猫の口の周りや口の中を触った場合は、必ず手を洗いましょう。

刺激物の摂取

猫に薬を飲ませたことのある人は、きっと体験したことがあるでしょう。猫は苦いものや酸っぱいものが大の苦手で、こういう刺激物を口に入れると、口から泡だらけのよだれを大量に流し、首を振ってよだれを辺りに撒き散らします。薬を飲ませたわけでもないのに猫がこういう仕草をした時は、猫が刺激物を舐めたのかもしれません。口の中に変なものが入っていないか、猫の周りに舐めてはいけないものがないかをすぐにチェックしましょう。

誤飲

刺激物ではなくても、ある程度の大きさがある異物を誤飲してしまい、喉や食道に詰まらせた場合も、その刺激によって大量のよだれが出ます。そして、誤飲癖のある猫もいます。今まで何もなかったのに、突然大量のよだれを流し始めた場合は、まず誤飲を疑いましょう。

食道炎

猫が食道炎になると、食道の粘膜の刺激によりよだれが増えます。動物病院で処方された錠剤を飲ませた時に、喉の途中に錠剤が張り付いてしまい、食道炎を起こすことがあります。それは、元々猫は唾液が少ない動物だからなのです。そのため、錠剤を飲ませた後は、多めの水を飲ませると良いでしょう。また、頻繁に嘔吐を繰り返すと、胃酸で食道がただれて食道炎になることも。猫が大量のよだれを流している時、併せて頻繁な嘔吐やゲップ、食欲不振などの症状が出ている場合は、食道炎を疑いましょう。

熱中症

豊かな被毛に包まれ、皮膚に汗腺がほとんどない猫は、あまり汗をかけません。そのため、夏は猫にとって辛い季節です。熱中症がひどくなると、脱水症状が出、全身ぐったりとした状態になり、よだれを流すことがあります。熱中症の場合は、苦しがって喘ぐような呼吸になり、口を開けっぱなしにしていることも多いです。こんな時は、猫の身体をなるべく冷やすように対処しながら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

感染症

猫カリシウィルス感染症という、猫カゼと呼ばれている疾病にかかると、鼻水とともによだれを流します。他にも、咳やくしゃみといった症状が併せて出てきますので、これらの症状が見られた場合は感染症を疑いましょう。なお、猫カリシウィルス感染症はワクチンで予防できます。

神経症状

脳の障害や中毒、低・高血糖、腎臓や肝臓の疾病などの神経症状としてよだれが出ることもあります。特に、腎臓の疾患は猫に多い病気です。また、完全室内飼いの場合でも、殺虫剤やカカオ(チョコレートやコーヒー)を口にしてしまい、中毒を起こすこともあります。顔面神経麻痺の場合も、口を動かす筋肉が麻痺してしまうので、よだれを流します。また、けいれんの発作を起こしながら泡状のよだれを流している場合は、てんかんの可能性が高いです。発作を起こしている最中は、猫に意識はなく、下手に触ると噛まれてしまうかもしれませんので、顔に手を近づけないことです。

また、激しいけいれんのために、びっくりするような動きとスピードで床の上を滑っていきますので、猫のまわりの障害物をどかして安全を確保してあげてください。発作が治まった後、数分間は猫もぼーっとしているので、静かにして落ち着かせましょう。そして、動物病院に電話をし、症状を説明してから連れていくと良いでしょう。その場合、できれば発作の時間が何分くらいだったかを伝えられると、より良い診断をしてもらえます。また、もしも発作の様子をスマホ等で撮影できれば、なお診断に役立ちます。ただ、実際に発作を起こしているところを見てしまうとそれどころではないと思いますので、せめて発作の時間くらいは把握できると良いでしょう。

ストレス

特に病気という訳ではありませんが、強いストレスや緊張、興奮でよだれを流すこともあります。病院での診察や注射、飼い主さんが出かけようとした時、雷や騒音、来客など、さまざまなストレスでよだれを流すことがあります。このような場合は、原因となるストレスがなくなることで症状もおさまりますので、特に心配することはありません。しかし、同じストレス要因が頻繁に起こる場合は、取り除いた方が良いでしょう。

リラックス

猫が飼い主さんに甘えてゴロゴロ喉を鳴らしている時にも、よだれを流します。こういう時のよだれは透明でさらさらしています。他にも、なでられている時や寝ている時、マタタビの匂いにうっとりしている時などにもよだれを流します。これらは、リラックスしていて副交感神経が交感神経よりも優位な状態になったことで現れる症状なので、問題はありません。ただし、マタタビは猫により反応の個体差が激しいので、あまり与えすぎないように気をつけましょう。

よだれの原因となる心身の異常は予防しよう

よだれの原因には、病気や怪我が原因となっている場合が多いことがわかりました。これらの原因となる異常は、ある程度予防できます。その予防方法についてみてきましょう。

口内ケア

子猫の頃から習慣化すれば、猫も歯みがきができるようになります。毎日の歯みがきで、歯周病の予防をしましょう。また、歯みがきができれば、猫の口内のチェックも容易にできるようになります。

危険なものを猫の手の届くところに放置しない

殺虫剤、猫に食べさせてはいけない食べ物、猫が飲み込める大きさの異物等を、猫の手の届く範囲に置きっ放しにしないことを習慣づけましょう。特に、猫と遊んだ後は必ずおもちゃを片付けること、おもちゃで遊ばせるときには、目を離さないことが大切です。また、錠剤を飲ませた後は、必ずシリンジ等で少量の水を強制的に飲ませるようにすることも習慣づけましょう。

年に1度はキャットドックを受診する

血液検査、尿検査を含んだ総合的な健康診断(キャットドック)を、最低年に1度は受診しましょう。できれば、高齢猫には半年に1度の受診がおすすめです。また、ワクチン注射による感染症の予防も大切です。

たかがよだれと思うことなかれ

猫 寝てる

猫のよだれには、心身の異常を訴えているサインが多いということが分かりました。特に、初めて猫と一緒に暮らし始めた方にとっては、犬のイメージがあるため「たかがよだれ」と思ってしまうかもしれません。しかし、犬と猫では、身体の構造に色々と違いがあるのです。そこを理解し、猫の異常のサインを早期に察知してあげられるようになりましょう。

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