猫

猫と蛇の意外な関係!猫は蛇のものまねをしているという説

猫は蛇のものまねをしているという説があります。単なる巷の噂というレベルではなく、動物学者や獣医師も、その説を唱えている方は多いようです。一体、猫が蛇の真似をしているとは、どういう事なのでしょうか。そして、猫のどのような仕草が蛇の真似だというのでしょうか。

不意に出現したキュウリに異常なまでの反応を示す猫

猫 上目遣い

以前、投稿動画サイトのYouTubeで、飼い主さんが自分の後ろにそっと置いたキュウリに気づいた猫が、跳び上がって驚いたという動画が話題になった事がありました。その異常なまでの驚きようがとても話題になり、一時期は似たような動画があふれるような状態になっていました。この猫の行動は、キュウリを蛇だと勘違いしたためだという説が有力です。猫の歴史を遡ると、蛇は猫の天敵だったのではないかという説もあるのです。今回は、この猫と蛇の関係についてみていきたいと思います。

猫の祖先:リビアヤマネコ

リビアヤマネコ

私たちが一緒に暮らしている猫たちはイエネコという種で、その祖先はリビアヤマネコである事が遺伝研究から分かっています。現在、リビアヤマネコは北アフリカ沿岸部や中央アフリカ、イラン・イラクなどの中近東、カスピ海沿岸、アラビア半島、アラル海周辺を含む西アジアに生息しています。発祥の地とされるリビアは、アフリカ大陸の北部にあり、国土の大部分が砂漠です。猫の身体の作りをみると水の少ない環境に適しており、猫の祖先は砂漠という過酷な環境の中を必死に生き抜いてきた事が分かります。この、砂漠で生きていた猫の祖先と蛇には、一体どのような関係があったのでしょうか。

蛇のポジショニング

蛇

現在の日本で暮らしている限り、ハブやマムシなど毒を持っている一部の蛇を除き、一般的な蛇のポジショニングは、食物連鎖上かなり低い位置にあります。道で猫が蛇に出会っても、大抵の場合は蛇が猫に遊ばれて終わってしまう事が多いようです。しかし、猫の祖先が誕生した頃、その住処であった砂漠では、蛇は他の動物から嫌がられる存在でした。蛇は動きが素早く、毒を持っていたからです。猫の祖先も、天敵とは言わないまでも、できれば蛇とは戦いたくないと思っていたと考えられています。

猫の祖先の生き残り戦術

猫

そこで猫の祖先は、この蛇を真似する事で、蛇やそれ以外の天敵から身を守る術を身につけたのではないかと言われています。猫が蛇の真似をすると言われても、あまりピンとこないかもしれません。では、具体的に猫が蛇の真似をしているのではないかと言われている点について、みていきましょう。

威嚇のシャーッ

猫が相手を威嚇する時、口を開けて犬歯をはっきり見せながら息でシャーッという空気音を発します。同じように、蛇が威嚇する時にも、シューッシューッという空気音を発します。この猫のシャーッとか蛇のシューッという音をhissingと言うそうですが、多くの動物学者は、この猫のhissingは蛇の真似をしていると考えているのだそうです。つまり、砂漠で蛇を嫌いながら生活していた猫の祖先たちは、蛇やその他の危険な動物に遭遇してしまった場合に、蛇が威嚇する時のhissingを真似する事で、相手を遠ざけていたというのです。

丸まって眠る姿

リビアヤマネコは明るめの褐色で、不明瞭な縞模様があり、長く先が細い尾を持っています。このリビアヤマネコが丸まって眠っている姿は、上から見ると蛇がとぐろを巻いている姿に似ています。この猫が丸まって眠る姿勢も、蛇の擬態であると考えられているようです。確かに、蛇がとぐろを巻いていると思わせられれば、猛禽類や他の捕食動物から襲われにくくなるかもしれません。

尻尾のうねうねとした動き

猫が、細長い尻尾をうねうねと動かしている時があります。このうねうねとした動きも、蛇の擬態ではないかという説があるようです。尻尾を蛇のように動かすだけで身を守れるほど蛇が嫌われていたのかと思うと、少し蛇が気の毒になりますが、それほど野生動物の生活環境は過酷で厳しいものだったということでしょう。

猫が真似をするのは蛇だけではない?

猫

それにしても、猫が他の動物の真似をするなんて、そんなことあり得るのと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。リビアヤマネコの蛇の擬態の他にも、ネコ科の動物が他の動物の真似をしているという研究報告があるので、ご紹介しましょう。ニューヨークを拠点に活動している野生生物保護協会(WCS)が2010年に発表した研究です。ネコ科の小型肉食動物マーゲイ(ツリーオセロット)が、獲物をおびき寄せるためにフタイロタマリン(オマキザル科)の赤ちゃんの声を真似しているのが観察されたのです。

マーゲイが真似をした、フタイロタマリンの赤ちゃんの甲高い声を聞いて、複数の大人のフタイロタマリンが、マーゲイに近寄って行ったのだそうです。この研究者は、「マーゲイは、他にも獲物を捕らえるために驚くべき心理作戦を使う事が観察から分かる」と言っているそうです。また、この研究者は、マーゲイの他にもピューマやジャガーといった他のネコ科の動物が、獲物を騙そうと鳴き真似をする声を聞いたという現地での証言を得ているのだそうです。ネコ科の動物には、hissingだけではなく、鳴き声の真似をする事で狩を有利にしようとする学習能力が、本能的に身に備わっているのかもしれません。

愛猫の住処の安全は飼い主が確保してあげよう

猫

キュウリに驚く猫の話から、随分とスケールの大きな話になってしまいました。日頃目にしている猫の行動が蛇の真似であるとか、ネコ科の動物には他の動物の真似をして狩を有利にする能力があるなどと考えると、毎日の猫との暮らしが、一層楽しくなってきそうです。それはともかく、猫がシャーッと威嚇をしている時は、防御の気持ちが強い場合です。つまり怖がっている時なのです。

たとえ飼い主であっても、猫がシャーッと威嚇している時に近づくのは危険です。そのような時は、猫が落ち着くまで、静かに待ちましょう。いずれにしても、愛猫の住処の安全は飼い主が確保してあげなければなりません。くれぐれも、愛猫をキュウリで驚かすなんてことはしないようにしましょう。

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