子猫多数

猫の多頭飼いのメリット・デメリットと注意点

猫好きな人の中には、猫と人との1対1の暮らしよりも、複数の猫との暮らしを夢見ている人も多いのではないでしょうか。確かに、寒い日に椅子の上で抱き合いながら丸くなって眠っている猫の寝顔は、飼い主に幸せを実感させてくれるものです。今回は、猫の多頭飼いについて考えてみましょう。

猫一匹、人ひとりの生活は相互依存になりやすい

猫と人

最近は、避妊・去勢された完全室内飼いの猫と人とが1対1で暮らしているケースが増えているようです。このような場合、人が猫の執事や下僕になっているケースが多く見られます。人は「この子は私がいないと生きていけない」と思い込み、猫は「この家の一番は私」と主張する事で、人が自ら進んで猫の執事や下僕のようになっていくのです。

しかし、人の猫への気持ちが強くなればなるほど、実は猫の負担も重くなり、いびつでバランスを欠いた関係になってしまいがちなのです。それが高じると、人と猫が相互依存となり、人は猫がいなければ安心できなくなり、猫は人が見えないと落ち着いていられなくなってしまう事だってあるのです。

そんな歪な関係にならないためにも、実は、猫は一匹だけでなく二匹と一緒に暮らす方がお勧めだという説があります。猫が二匹いる事で、人は自然に猫のありのままを素直に受け止められるようになるのだそうです。確かに、二匹以上の猫と一緒に暮らす事のメリットは多いです。

猫の立場で考えると

①猫の社会性ができる。
②適度なストレスがかかり免疫力が上がる。
③猫同士のグルーミングができる。
④寒い時に抱き合って暖をとれる。
⑤遊ぶ事で運動量が増えてストレス解消にもなる。

というメリットが挙げられます。

人の立場で考えると。

①猫が寂しがらないだろうと気が軽くなって外出しやすくなる。
②比較できる対象ができるので猫の異変をみつけやすくなる。
③溺愛しすぎず猫と適度な距離感で付き合えるようになる。
④一匹の猫を看取った場合でも残った猫の世話があるためペットロスが酷くなりすぎない、というメリットが挙げられます。

多頭飼いをする前に考えておくべき事

母猫と子猫

メリットが多いからといって、安易に多頭飼いを始めてしまうと、最終的にそのつけが猫にまわってしまい、猫を不幸にすることにもなりかねません。安易に考えずに、まず多頭飼いを始める前に考えておくべき事を確認しましょう。

多頭飼いに適した環境

住環境が多当該に適していない場合は、猫にストレスを与えるだけですので、多頭飼いはあきらめましょう。下記の観点で、点検してみてください。

① ペットの複数飼育が許可されているか

まず大前提ですが、アパートやマンションに住んでいる場合は、規約上複数のペットを飼育することが認められているかどうかの確認が必要です。場合によっては、ペット飼育可となっていても、一匹のみという制限がついている場合もあるので注意が必要です。

② 部屋数

猫を多頭飼いする場合、「猫が自由に行き来出来る部屋数−1匹」が、飼える頭数の上限と言われています。つまり、共用スペースが1室(リビング等)と1匹に1部屋ずつのテリトリーという配慮です。

③ トイレの数と設置場所

猫はとても清潔好きな動物ですので、適切なトイレの数は「猫の頭数+1個」です。この数のトイレを設置する適切な場所を確保できなければなりません。

④ 猫が落ち着ける場所の確保

全ての猫に、それぞれが落ち着いて静かに過ごせる寝床や隠れ場所を用意する必要があります。それができなければ、猫同士が落ち着いて平和に過ごすことが難しくなります。キャットタワーを複数設置する等の工夫で、全ての猫が快適に過ごせる場所を確保してあげましょう。

避妊・去勢手術は必ず行う事

猫の繁殖力はとても高く、自然に任せてしまうとすぐに手に負えなくなってしまいます。子猫を産ませることが目的でない場合は、必ず避妊・去勢手術をしてください。また、雄の場合も雌の場合も、最初の発情が来る前に手術をすることで、高確率で乳ガンの予防になりますので、雄と雌のペアでない場合も避妊・去勢手術をすることをお勧めします。

多頭飼いに見合った費用や体力があるかを見極める事

一般社団法人ペットフード協会が発表した「平成29年全国犬猫飼育実態調査」では、外に出ない猫1頭あたりの生涯必要経費(食費、医療費等含む)は、約114万円でした。猫が長生きしてくれればしてくれる程、慢性腎不全やガン等に罹る率も高まり、飼い主さんが手を尽くそうと思えば思う程、この費用はもっと高くなっていくでしょう。また、猫それぞれの健康管理も含め、一緒に暮らす猫が増えれば増える程、猫の世話に掛かる時間も体力も必要になります。多頭飼いを始める前に、費用や体力面も含めて、今一度自分にそれだけの力量や覚悟があるかどうかを見極めましょう。そして、「大丈夫。なんとかする!」と思えたなら、あとは弱気にならずに最後までやりぬきましょう。複数の猫たちが抱き合って丸くなりながら眠っている姿を見るのは、飼い主にとっては確かに幸せな時間ですから、その幸せな時間を最後まで維持できるように頑張りましょう!

いざという時の避難方法を考えておくこと

自然災害等に見舞われた場合のことも事前に考えておきましょう。避難が必要になった場合、多頭飼いの場合は全員を連れて避難するためには何が必要かをよく考えて準備をしておきましょう。

多頭飼いをする場合、できれば最初からが良い

子猫多数

多頭飼いをする場合、最初から多頭飼いをするのが一番理想的です。それも、兄弟姉妹ならなおさら理想的です。ブリーダーや里親譲渡会などで猫を探す場合は、生後2週〜7週齢の社会化期に一緒に過ごした子猫、できれば兄弟姉妹が良いと条件を言って探してみてください。

途中から新しい猫を迎え入れる場合の注意点

白猫と人

既に猫と一緒に暮らしていて、そこに新しい猫を迎え入れたい場合には、注意事項が必要です。

先住猫と新しい猫の相性を見極める

新しく迎える猫と先住猫が一緒に仲良く暮らしてくれなければ困りますので、それを第一に考えてあげましょう。通常、新しい猫を迎える場合、先住猫もなるべく若齢の方がうまくいきます。先住猫が高齢で新しく迎える猫が子猫の場合は、先住猫のストレスが大きくなるので避けた方が良いでしょう。また、去勢していない雄同士の場合はテリトリー争いが激しくなるため、避けた方が良いでしょう。去勢した雄同士や雌同士の場合は、仲良くなることが多いようです。

また、先住猫と新しい猫をいきなり一緒に生活させるのは危険です。最初は新しい猫を別の部屋に隔離して生活し、次に新しい猫をケージに入れた状態で短時間対面させ、それを繰り返して徐々に慣らしていき、最後に直接対面させましょう。慣らすのに必要な時間は、ケースバイケースです。飼い主さんが様子を見てうまくコントロールしてあげてください。焦りは禁物ですので、時間をかけてゆっくりと慣らしていきましょう。その際、飼い主さんは先住猫を優先しながらも、全ての猫に対して平等に接するように心がけましょう。

多頭飼いの欠点を補うための注意点

猫と人

多頭飼いの場合、どうしても個々の健康管理が行き渡らなくなってしまいます。神経質になりすぎない程度に、個々の猫の採食量や排尿、排便の状況を観察し、全ての猫にきちんと爪切りや歯磨き、ブラッシング、耳掃除等のケアをするようしましょう。特に多頭飼いの場合、一匹が感染症に罹ると他の猫も皆感染してしまいます。ワクチンによる予防や健康管理には、十分に注意してあげましょう。

まとめ

猫と人

猫も、十匹いれば十個の個性があります。複数の猫との暮らしは、猫と人が1対1で暮らすこと以上に楽しく幸せで豊かな時間を過ごせます。ただし、そのためにはそれなりの準備や労力も必要です。また、医療費に関しては、ペット保険に入る等の対策も必要になるでしょう。神経質になり過ぎず、でもきちんと責任を持って猫と接することで、猫と一緒に最後まで楽しく暮らしましょう!

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