
猫の安全確保に有効なケージの4つの使い方と選び方を紹介します!
猫は室内を自由に歩き回って過ごすもので、家の中でケージに入れるなんて可哀想だと思ってはいませんか。家の中にも、猫にとって危険なことはたくさんあります。その危険から愛猫を守るために、ケージをうまく使うことを考えてみませんか。ケージの使い方や選び方について、解説します。
目次
猫と一緒に暮らす場合になぜケージが必要なのか
猫と一緒に暮らす生活というと、部屋の中を猫が自由に歩き回っている姿を想像する方が多いと思います。逆に、猫のケージというとペットショップや保護施設などを連想し、一般家庭でケージを使うのは、可哀想だと思われている方も多いのではないでしょうか。もちろん、猫と一緒に暮らす場合、ケージが必ず必要なものであるかと言われれば、答えは「No!」です。しかし、ケージは一般家庭でも、あるととても便利なツールの一つなのです。ケージの必要性は、家庭内に潜んでいる危険から猫の身を守ることです。もちろん、終日ずっと猫をケージに入れたままにするというのは、あまり好ましいとは言えません。しかし、幼い子猫の期間や留守番をさせる間、また病気や高齢により自由に室内を歩くことに無理が生じた場合などは、ケージを有効に活用することで、猫の安全を確保することができます。
ケージの使い方と選び方
では、ケージの使い方と選び方について、代表的な考え方をご紹介したいと思います。
1. 子猫時代の安全確保 |
子猫の好奇心はとても旺盛で、電気コードをかじったり棚の上の物を落としたり落ちている異物を飲み込んでしまったりと、目を離すと何をしでかすか分かりません。家の中は、子猫にとって危険がいっぱいなのです。そのため、子猫の間はケージの中で過ごす時間を多くし、生後3ヶ月程度になったあたりから、徐々にケージの外で過ごす時間を増やしていくと、良いでしょう。また、普段はケージの外で過ごすことが長くなってきた場合も、子猫だけで留守番をさせる場合は、安全確保のためにケージの中で過ごしてもらうのが安全です。子猫は体が小さいですが、長時間過ごすことになりますので、2〜3段の高さのあるケージで、かつ小さな子猫用のトイレや食器、給水容器などを設置できるだけのスペースが確保できるケージを選びましょう。また、安全でかつ脱走できないような作りである物を選びましょう。 |
2. 猫が安心して過ごせる場所を確保する |
子猫時代にケージで過ごしていた猫で、外で過ごすようになってもケージが好きでよく利用しているという場合は、その猫にとってケージの中が自分の縄張りでとても落ち着けて安心できる場所になっていると考えられます。その場合は、大人になってもケージをそのまま残し、継続して使用させてあげましょう。 |
3. 多頭飼いなどで新しい猫を迎え入れる場合に利用する |
何かの事情で、すでに猫と一緒に暮らしている生活の中で、新しい猫を迎え入れることになった場合、いきなり先住猫と新参猫を部屋の中で一緒にさせることは、あまりお勧めできません。部屋が複数ある場合は、まずは別々の部屋で過ごさせ、においや気配に慣れさせてから、新参猫をケージに入れて同じ部屋で過ごさせるという方法で、徐々に慣れさせていくのが一般的な方法です。猫たちがお互いを認め合い、一緒に暮らせるようになるまでには、多少の時間が必要ですので、キャリーバッグを利用するよりも、ケージを利用する方が新参猫にとってもストレスが少なくてすむでしょう。慣れるまでの短期間の使用ですので、大きなサイズのケージである必要はありませんが、トイレ、食器、給水器が設置できるだけのスペースは必要です。また、中で過ごす猫のストレスを減らすためにも、なるべく2段以上の物を選ぶのが良いでしょう。また、縦方向や横方向に拡張できるタイプのケージも販売されています。多頭飼いで猫の増減が頻繁な場合など、空間を拡張したりケージを分割したりして使えるため、このタイプのケージを用意しておくと便利かもしれません。 |
4. 病気や高齢の猫の安全確保 |
多頭飼いの場合、病気や手術後のケアが必要な猫は、他の猫から隔離してあげる必要が生じる場合もでてきます。また、高齢な猫は徐々に脚の筋肉が衰えてきて、上手く歩けなくなっていきます。寝たきりになってしまう前の、よろけや転倒が多い状態の時は、今まで通りに自由な状態で留守番をさせることが危険になりますので、この場合もケージを利用すると良いでしょう。このような場合は高さを意識する必要がないので、1段のケージで十分です。高齢でうまく歩けない場合でも、猫はトイレで排泄をしたがりますので、オムツは寝たきりになってしまってからと考え、なるべく縁の低いトイレを用意してあげましょう。また、なるべく普段の生活と変わらないようにしてあげるために、トイレや食器、給水器を一箇所にまとめ、そのエリアをフェンス(柵)で囲んでしまうというのも一つの方法です。普段は出入り口用に一箇所解放した部分を作っておき、留守番の時には解放したところも柵で塞いでしまえば、高齢猫のストレスを最小に抑えて安全を確保できるでしょう。このような場合は、すでにジャンプする筋力がありませんので、天井部分はオープンな状態でも問題ありません。トイレや給餌もいつも通りに行うことができ、飼い主さんも楽に介護できます。 |
ケージをカスタマイズして居心地よくすることを考える
ケージの柵に設置できる食器や給水器、ケージの中に吊るすことのできるハンモックなど、ケージをカスタマイズして、愛猫に居心地の良い空間を作ってあげることができます。また、背の高いキャットタワーをそのまま丸ごと収めることのできるサイズのケージも販売されています。いくら高さがあっても、健康な猫を長時間ケージの中で過ごさせる必要がある場合は、なるべくストレスを軽減させられるよう、いろいろと工夫をしてあげると良いでしょう。もちろん、家の中を完全に猫用の安全な空間にしてしまい、ケージを使用しないという選択肢もありますので、飼い主さんの住宅事情に合わせてうまく工夫をし、愛猫が安全に暮らせる住空間を確保してあげましょう。
防災グッズとしてのケージ
最近は、地震、豪雨、突風などの大規模な自然災害が多く発生しています。万が一の場合は、愛猫と一緒に避難所等で過ごさなければならない場合も考えておきましょう。軽くて丈夫な素材でできたポータブルタイプのケージも販売されています。避難用として購入しておき、病気の時などに使用しておくと、いざという時でも愛猫が自分のにおいで安心して使えるかもしれません。
ケージをうまく取り入れて生活環境を整えよう
飼い主さんの住環境によっては、ケージが全く必要のない場合もあるでしょう。しかし、いずれは猫も高齢になり、思うように歩行できなくなる時がやってきます。その時に初めてケージを購入するのでは、かえって愛猫のストレスになるかもしれません。その場合は、ペット用のフェンス(柵)などをうまく利用しましょう。また、最近は自然災害も増えていますので、避難用も含めて、一度ケージの必要性についてご検討されると良いのではないでしょうか。いずれにしろ、用途を見極め、その用途やお住いの環境に適したケージを用意することが大切です。