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猫の耳掃除の完全ガイド〜タイミング、方法、注意点とは〜

猫は、自分や仲間同士でグルーミングを行います。しかし、耳はグルーミングできません。そのため、愛猫に代わって飼い主さんがチェックやお手入れを行う必要があります。今回は、猫の耳掃除について、行うタイミングや方法、使う道具や注意点について解説します。

猫も耳掃除って必要なの?

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猫は、自分や仲間同士でグルーミングを行い、全身の被毛をお手入れします。しかし、歯と耳はそうはいきません。そのため、どうしても歯と耳のお手入れは飼い主さんが行うことになります。ただし、健康な耳の場合、基本的にはわざわざ耳掃除をする必要はありません。耳垢がうっすらと溜まっている程度であれば、それは自然な状態なのでそのままにしておいて問題はありません。猫の体質や耳の形、季節などによっては耳垢が溜まりやすくなり、それが原因で耳道(耳の孔)を塞いでしまう場合があります。そのため、耳垢が溜まり過ぎていると感じた場合に、飼い主さんが猫の耳を掃除してあげる程度で構わないのです。また、人の場合の耳掃除というと、耳掻きを耳の孔の奥の方まで入れて耳垢を掻き出すイメージですが、猫の場合はだいぶ様子が異なります。今回は、人とは耳の構造も異なり、またとても繊細な器官である猫の耳掃除について、解説します。

猫の耳掃除のタイミングと健康チェック

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我々が普段「猫耳」と呼んでいる、頭から三角形に飛び出している形の部分を「耳介」と言います。その奥から耳道が垂直方向に降りていき、ある程度のところでL字型に曲がり水平方向に続き、鼓膜に達します。このL字型の耳道が外耳道で、鼓膜の先が中耳になります。耳道には皮脂腺と耳垢腺という腺があり、その分泌物が、外から侵入した埃や菌が耳の奥に入るのを防いでいます。そして、これらが固まったものが耳垢になります。ですから、基本的には耳垢はあまり耳の奥の方にはありません。また、耳垢は自然に奥の方から外側へ排出される仕組みになっています。そのため、飼い主さんが愛猫の耳介を目でチェックし、耳垢が溜まってきたなと思ったタイミングで耳介にある耳垢を拭き取るだけで良いのです。耳は皮膚が薄くて繊細な器官ですので、耳掃除を頻繁にやり過ぎたり、力を入れてこすり過ぎたりしてしまうと、トラブルの元になります。毎日のお手入れのタイミングで耳の状態を見て健康チェックを行い、その際の耳垢の状態によって耳掃除をするかどうかを決めれば良いでしょう。では、耳での健康チェックは、どのような観点で行えば良いのでしょうか。チェック観点を下記に挙げますので、参考にしてください。

1. 耳垢の状態:コーヒーのカスのように黒ずんだ耳垢が溜まっている場合は耳ダニに感染している可能性があります。また、耳垢の量が大量だという場合は、外耳炎の可能性があります。
2. 耳のにおい:耳のにおいが臭い場合も、外耳炎や耳ダニ感染の可能性があります。
3. 耳垢はないが、猫が耳を気にしている:中耳や内耳に問題がある可能性があります。また、アレルギー性皮膚炎由来で耳に炎症ができている可能性もあります。
4. 耳介に変色や異物が見られる:変色している箇所が凍傷や扁平上皮癌に罹っている可能性があります。また、高齢猫の場合、耳垢腺腫(じこうせんしゅ)といってホクロのようなものができる場合があります。

上記のような場合は、一度動物病院できちんと診察してもらいましょう。特に、耳垢が黒ずんでいて、耳掃除をしてもすぐにそういう状態に戻ってしまうという場合は、耳ダニ感染の可能性が高いので、病院でしっかりと駆除してもらう必要があります。

猫の耳掃除に必要な道具と方法

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猫の耳掃除に必要な道具は、そんなに大した物ではありません。水とコットンまたはガーゼで十分です。また、目や口、耳に使用できる市販のペット用ウェットシートでも構いません。もしも市販のイヤークリーナーを使用したい場合は、「猫用」のものを使ってください。水またはイヤークリーナーを浸したコットンまたはガーゼを使う場合は、固く絞ってください。ウェットシートの場合も、水分が耳に残ってしまいそうな場合は絞って水分が残らないようにします。その状態で、耳介の部分、つまり見えている部分の耳垢を軽く拭き取ります。拭き取る際は、軽く耳をひっぱって広げるようにすると良いです。また、ゴシゴシとこすらないようにしてください。直接猫の耳道に垂らして使用するタイプのイヤークリーナーもありますが、そうしたタイプの洗浄が必要な耳の病気に罹った場合は別として、普段ご家庭で行う耳掃除には必要ないでしょう。またこのタイプのクリーナーは、鼓膜等に異常がある場合はさらなるトラブルの原因となりますので、事前に動物病院で獣医師のチェックを受ける必要があります。

猫の耳掃除で注意した方が良いこと

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猫の耳掃除をする際に、案外気がつかないけれども気をつけた方が良いことを下記に挙げますので、参考にしてください。

・リラックスして短時間ですませる
飼い主さんの緊張は、猫を緊張させる元です。まずは飼い主さんがリラックスしましょう。そして、耳掃除は時間をかけずにさっとすませましょう。
・掃除をするのは耳介のみ
耳孔の奥は触らないこと。特に、綿棒を使って耳孔の奥にある耳垢まで取ろうとすると、耳垢が奥に押されてしまい、L字型の部分に溜まってしまいます。せっかくのお手入れが逆効果になりますので、やめましょう。
・飼い主さんの爪のお手入れも忘れずに
耳掃除をする飼い主さんの爪で愛猫の耳はすぐに傷ついてしまいます。伸びていたり欠けていたりする爪では猫の耳を触らないようにしましょう。
・水または猫用のイヤークリーナーやウェットティッシュ以外は使用しない
猫の耳掃除にオリーブオイルやアロマオイルを使用したい方もおられるようですが、基本的には使用は避けた方が良いでしょう。ティーツリーオイルのように、猫が中毒症状を起こす成分が含まれているアロマオイルもありますので、注意が必要です。耳は皮膚が薄く、有害な成分を体内に吸収してしまいます。「口に入れるわけではないし、人に良い物だから大丈夫」だとは考えず、猫に対して安全なものを使用する必要があります。

慣らすためにはこんな工夫をしよう

慣れるまでは愛猫も耳掃除を嫌がるかもしれません。猫は、嫌なことの記憶はずっと忘れずにいます。そして、同じような思いをしないように行動します。そのため、いきなり愛猫を捕まえて耳掃除をするのではなく、最初は頭や耳の後ろなどを撫でるスキンシップから始めましょう。徐々に触れる範囲を広げていきます。身体中どこを触っても平気な猫になるように、一緒に暮らし始めた時から上手にスキンシップできるように慣らしていくようにすると良いです。そして、耳掃除などの嫌なことが終わったら、ご褒美におやつをあげるようにすると、愛猫はだんだんと耳掃除などにも慣れてくるでしょう。日常のお手入れが、愛猫にとっては飼い主さんとの楽しいスキンシップの時間になるよう、楽しい記憶と結びつけ、嫌な思いはさせないようにするのがコツです。そのため、どうしても嫌がる時には、耳掃除をパスしても構いません。愛猫がご機嫌の良い時に行いましょう。

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