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猫の発情期の行動に対する4つの対処方法

猫と一緒に暮らし始めるときに、心配になるのが発情です。避妊・去勢手術をすべきか、自然なままにしておくべきか。発情したら猫はどのようになるのか。猫はどのくらいの頻度で発情するのか等々。正しい知識を得た上で、どうするのが愛猫や飼い主さんの双方にとって幸せなことなのかを考えてみましょう。

猫の発情期って…

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これから猫と一緒に暮らそうと考えている方の中には、避妊・去勢手術をするべきなのかどうかについて、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。猫は繁殖力が強いとか、発情期になるとその行動に悩まされるといった話を耳にしてはいるものの、人間が猫の繁殖力を奪ってしまうことに対して罪悪感のようなものを感じてしまうのも、また自然なことだと思います。今回は、猫の発情期がどういうものなのかについて、解説していきます。猫の避妊・去勢手術について悩んでいる方や、子猫を計画的に産ませたいと考えている方に参考にして頂ければ幸いです。

発情の時期はいつなのか

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「いつ」という疑問の中には、いくつかの要素が含まれています。その要素ごとに、説明していきましょう。

発情時期って何歳から始まるの?

これから猫と一緒に暮らそうとしている方は、まず、いつから始まるのかについてが、一番の心配なのではないでしょうか。もちろん、発情時期についても個体差が大きいので、必ず何歳からとは言えません。しかし、一般的には次のように言われています。

<雌猫>
生後7〜10ヶ月齢、体重2.5kg程度で性的に成熟し、最初の発情を迎えます。一般的に、短毛種の方が長毛種の猫よりも早熟だと言われており、ヒマラヤンなどの純系長毛種は12〜18ヶ月齢で最初の発情を迎えます。また、猫の性成熟は月齢よりも出生月の影響の方が大きいと考えられており、2月生まれの短毛種の雌は、生後3〜4ヶ月目にあたる5〜6月には最初の発情を迎えることもあります。
<雄猫>
雄の場合は生後3ヶ月齢頃から性成熟が始まります。早い場合は、この頃からマウンティング(他の猫の上に覆いかぶさる行為)や腰を振るなどの、擬似的な交尾行動を行うようになります。精巣が発達し始めるのは生後5〜6ヶ月齢頃で、本格的な発情期を迎えるのは9〜12ヶ月齢頃になります。雌猫の場合は自ら発情期を迎えますが、雄猫の場合は発情した雌猫と接触することで発情が誘発されます。接触と言っても、屋外にいる発情した雌猫の鳴き声により完全室内飼いの雄猫も発情が誘発されますので、安心はできません。

発情周期ってどのくらいなの?

松尾芭蕉の句に『猫の恋やむとき閨(ねや)の朧月』というものがあります。この句の季語は「猫の恋」で、初春を表しています。この句は元禄5年に詠まれたものですが、現在でも、猫の恋は初春を表す季語として使われています。しかし、実際にはちょっと違うのです。猫の発情は、日照時間と大きく関係しています。北半球の場合は、日照時間が長くなる2月頃から繁殖期が始まり、日照時間が短くなる9月頃まで持続します。しかし、人工的な照明環境も日照時間と同じような作用があるため、室内飼育されているような場合は、年間を通じて発情が不規則に持続する例が増えているようです。性成熟した雌猫は、春から秋にかけて3〜4週間おきに2〜4回発情します。では、具体的に雌猫の性周期の様子を解説します。

(1) 発情前期
期間は1日程度で、顕著ではありませんが、発情の兆候が一部みられます。ただし、この時期にはまだ雄猫を許容しません。
(2) 発情期
期間は1週間程度で、顕著な発情兆候が現れます。尻尾を片側に曲げて積極的に雄猫を受け入れます。
(3) 発情後期
雌猫は、交尾の刺激で排卵をします。交尾後24〜50時間以内に排卵して発情後期に入り、性行動がみられなくなります。発情したけれども交尾をしなかった、または排卵がなかった場合は、5〜16日後に再度発情します。排卵があったけれども妊娠しなかった場合は、偽妊娠状態が35日間続き、8〜10日後に再度発情します。また、妊娠したけれども哺乳しなかった場合にも、8〜10日後に再度発情します。

猫の発情は何歳まで続くの?

発情期の終わりについても個体差が大きいのですが、一般的には終生発情期があると考えられています。

発情の時の行動はどのようなものなの?

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では、発情中に猫がどのような行動をするのかについて、みていきましょう。

雌の場合
雌猫は、発情しても生理のような出血をしませんし、外陰部が腫れるようなこともありません。次に挙げるような行動が、雌猫の発情の手がかりとなります。
・落ち着きがなくなります
・排尿回数が増えます
・トイレ以外の場所に排尿します
・食欲がなくなります
・甘えたように飼い主の足元にすり寄ります
・毛艶が良くなります
・地の底から響くような大きく甲高い声で「あ〜ぉ〜」と鳴き続けます
・後躯(こうく)、つまり腰やお尻、後肢を上方に持ち上げます
・体をくねらせながら地面や家具などにこすりつけます
・尻尾を外側に曲げてうずくまります

 

雄の場合
雄猫の発情が誘発される刺激は、発情前期から発情期における雌猫の鳴き声、動作、尿の匂いです。これらの刺激により発情した雄猫は、次に挙げるような行動をとります。
・落ち着きがなくなります
・雌猫の鳴き声に応えて太くて低い大きい声で鳴き続けます
・自分のテリトリーを示すためにより高い位置に排尿し、マーキングを行います(スプレー行動)
・室内飼いの雄猫は、雌猫を求めて家から脱走しようとします
・攻撃的になります

猫の妊娠について

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前述の通り、猫は交尾の刺激により排卵を行います。そのため、交尾排卵動物ではない犬や人間と比べると、妊娠率が高い動物だと言えます。特に受胎率が高いのは、発情開始後3〜4日目です。これも前述の通りですが、猫は、妊娠しなかった場合はすぐにまた発情しますので、発情が停止したら妊娠したと判断できます。

発情期の行動に対する対処方法は?

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雌猫の発情を止めるために、湿らせた綿棒で膣を刺激すると良いという説があるようですが、膣はとてもデリケートな器官です。粘膜を傷つけてしまうことがありますので、素人が勝手な判断で行うことは、決しておすすめできません。もしも、発情を止めたいのであれば、雌猫には避妊手術を、雄猫には去勢手術をすることをおすすめします。避妊・去勢手術は、発情させない=子猫を産ませないだけではなく、生殖器に由来するいくつかの病気の予防にもなるためです。しかし、計画的に子猫を産ませたいという飼い主さんの場合は、次のような方法で発情期に対処してください。

・人の生活を猫の生活に合わせましょう
発情期の行動をやめさせることはできません。そのため、人が猫に合わせて行動するしかありません。猫のスプレー行動が激しい場合は、先回りしてペットシーツや防水シートを敷いておく、脱走しないように窓やドアを開けっ放しにしないなどです。
・昼間のうちに運動をさせましょう
発情中に一番困るのは、鳴き声と言っても良いでしょう。特に夜鳴きはとても強烈で、安眠できません。そのため、なるべく昼間のうちにたくさん遊んで運動をさせ、夜は疲れさせるようにしましょう。
・近隣の方に未避妊・未去勢の猫を飼っていることを知らせておきましょう
発情中の猫の鳴き声は、近隣の住民にとっても迷惑です。トラブルを避けるためにも、あらかじめ避妊・去勢をしていない猫を飼っていることを知らせておくべきでしょう。
・猫が甘えてきても無視をする
発情している雌猫は、普段よりも甘えるような行動をとります。それに応えていつも以上に撫でてしまうと、それが刺激となって発情行動がエスカレートしてしまうこともあります。発情期は、甘えてきても無視するくらいが良いでしょう。

飼い主さんの責任と猫にとっての幸せを考えましょう

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説明してきた通り、猫は早期に性成熟し、あっという間に発情を迎えて子猫を産めるようになってしまいます。そして、1年に複数回の発情を迎え、妊娠率も高い動物です。発情を迎えても相手がいないとか、逆に子猫が増えすぎて里親がなかなかみつからない、鳴き声がうるさくて近隣から苦情が出るなど、猫にとっても飼い主さんにとっても良くない事態を招くこともあるでしょう。飼い主さんは、一緒に暮らしている愛猫を終生世話する責任があります。その責任をきちんと果たし、愛猫にも幸せに暮らしてもらうためには、どうするのが良いのかについて、きちんと考えてから猫と一緒に暮らし始めるようにしてください。

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