メインクーンの特徴・歴史・一緒に暮らす場合の注意点

猫は、品種間であまり大きさの違いがない動物です。その中でも大型でふさふさとした毛並みが印象的なのが、メインクーンです。その野生的な見た目とは異なり、実は大人しくて飼い主に忠実な性格をしています。今回は、メインクーンについて、特徴や歴史、罹りやすい病気などを解説します。

メインクーンの特徴

メインクーンといえば、とにかく体の大きい長毛種というイメージが強いのではないでしょうか。ギネスブックに登録されている「最も長い猫」も、メインクーンです。メインクーンは通常76〜101cm程度まで成長すると言われていますが、現在のギネス世界記録を保持しているのは、イタリアに住む120cmのメインクーンのバリベルくんで、2018年5月22日の計測記録です。体重も、オスは6〜9kg、メスは3〜6kg程度が一般的といわれていますので、猫の中では大型の品種です。体つきは筋肉質で、胸部の幅が広く、胴が長く、両脚の間も広くて骨格がしっかりしています。足の先は大きくて丸く、飾り毛でふさふさしています。ただし、脚の長さは中くらいです。

体が大きい割には頭部の大きさは中位で、額は緩やかにカーブしており、頬骨は高く、マズルは四角張っています。下顎がしっかりしており、鼻と上唇とで一直線になっています。耳も大きく、先端が程よく尖っていて、少し外側を向いています。耳の内側にある毛は、外側に向かって水平に伸びています。目も大きくて卵型をし、色はグリーン、ゴールド、カッパーで、毛色とは無関係です。毛並みは絹のようで、喉のあたりはふさふさしていますが、肩の上は短く、背中から後ろへいくほど、また側面から下にいくほど長くなり、臀部と腹部はむくむくしています。尾は、ボディと同じ長さ以上あり、ふさふさとした長い毛に覆われています。

このように、野性味にあふれた体型と長い被毛を持っているため、堂々としていて誇り高い雰囲気のメインクーンですが、その性格はとても温和で優しく、人にもよくなつきます。自立心は強いのですが、飼い主には忠実で、賢く、度胸もあり、遊び好きです。木登り、ネズミ退治と外で活発に遊ぶのが好きで、水にも動じないのですが、家の中で飼育されてもそれほどストレスを溜め込まない、順応性の高い性格でもあります。暖かい場所があれば機嫌よく過ごしてくれます。メインクーンは、里親募集で入手することもできますし、国内にもいくつかのメインクーンのキャッテリーがありますので、きちんとした純血種も入手しやすい品種であるといえるでしょう。

*キャッテリーとは
TICAまたはCFAに認可されたブリーダーをキャッテリーといいます。TICAおよびCFAは、アメリカを本拠地とする世界最大の血統登録機関です。一般のブリーダーもキャッテリーも、販売ルートは変わりません。また、キャッテリーの方が一般的なブリーダーよりも価格が高めの傾向にあります。しかし、TICAやCFAに認可されていることで、その猫の血統には信頼がおけると考えられます。ただし、販売目的、ショーへの出展目的、趣味など、キャッテリーにもいろいろありますので、最初から一箇所に絞らず、複数回訪問してお気に入りの一匹をみつけられる、相性の良いキャッテリーを探しましょう。

メインクーンの歴史

原産地は、アメリカ、ニューイングランド地方のメイン州です。メイン州はアメリカ本土の最東北部にあり、冬の寒さが厳しい地方です。そのため、メインクーンは分厚い被毛と丈夫な体を手に入れたと考えられています。メインクーンの名前の由来は、メイン州のメインと、アライグマ(ラクーン)から来ているといわれています。なぜアライグマなのかというと、メインクーンのふさふさした長い尾がアライグマの尾と似ているからです。大型の猫とアライグマを掛け合わせて作出したという説もありますが、それは遺伝学的にありえません。ボブキャットとイエネコを掛け合わせて作出したという説もあるようですが、これも遺伝学的にありえません。そのくらい、メインクーンは他の猫と比べて体が大きく、長いふさふさの尾や耳の先と足先の飾り毛が特徴的だということでしょう。

1000年頃、メイン州の北にあるニューファンドランドにスカンジナビアのバイキングが来た際に、船内のネズミ退治として乗船させていたノルウェージャンフォレストキャットが上陸し、メインクーンになったという話があります。1700年代にイギリスのクーン船長が船にたくさんの猫を乗せてニューイングランドの沿岸を航海しており、クーン船長と一緒にこの猫たちも上陸すると、現地の猫たちが毛の長い子猫を生むようになり「クーンズキャット」と呼ばれるようになったのが、メインクーンの始まりだという話もあります。18世紀のフランス王妃マリー・アントワネットを、ギロチンにかけられる前に救い出そうという計画が立てられ、王妃のペルシャとアンゴラ6匹と持ち物を脱出用の船に乗せたものの計画は失敗し、王妃は処刑されてしまいました。

しかし猫たちを乗せた船はメイン州にたどり着くことができ、王妃の猫たちとメイン州の猫たちとの交配の結果、メインクーンの祖先が生まれたという話もあります。真偽不明の話ばかりですが、北米大陸にやってくる船に乗っていたネズミ退治の猫は、そのほとんどがアンゴラだったことから、メインクーンにはアンゴラの血が入っていると思われているのは確かなようです。

メインクーンと一緒に暮らす場合の注意点

メインクーンは、人にも良く慣れますし、一緒に暮らしやすい猫だといえます。しかし、最大の特徴である大きな体と長毛種ということをよく考慮する必要があります。寝床やトイレ、キャットタワーやキャットステップ等、メインクーンが使用したり乗ったりするものは、一般的な猫のものよりも大きくて丈夫なものを用意する必要があります。また、長毛種なので、日々のブラッシングはもちろん、定期的なシャンプー等の被毛の手入れもきちんと行う必要があります。また、メインクーンは肥大型心筋症や多発性嚢胞腎に罹りやすい品種だといわれています。遺伝的要因で発症するため、一緒に暮らす前からこれらの病気についてよく知っておいた方が良いでしょう。肥大型心筋症とは、心臓の筋肉が内側に向かって厚くなり、心室が狭くなるため体に必要な血液を十分に送ることができなくなる病気です。十分な血が送られないため、体は心拍数を上げたり血圧を上げたりしてバランスを取ろうとします。

代表的な症状は、少し運動しただけで呼吸が荒くなり動かなくなる、呼吸困難、歩き方がおかしくなって立てなくなる(痛がる)ですが、症状が目に見えるようになった段階で、すでに病気はかなり進行しており、突然死の可能性もある病気です。多発性嚢胞腎とは、一度発症すると治ることのない腎臓の病気です。人にもある病気ですが、人の場合は難病指定されている病気です。最終的には腎不全を起こし、食欲不振、多飲多尿、体重減少などの症状を現します。小さな嚢胞は生後6〜8週齢で検出されることも多いので、若い頃から超音波検査を定期的に受けることで早期発見できるでしょう。このように、メインクーンは遺伝的要因で発症しやすい病気も持っていますので、若い頃からペット保険に入っておくと安心できます。ペット保険には、年齢制限もあるので注意が必要です。また、近所に相談しやすく信頼のできる動物病院をみつけることも、大切です。

田舎のような広い環境で迎えやすいメインクーン

人によくなつき、普段はおとなしいメインクーンですが、じゃれるとサービス精神が旺盛で楽しませてくれる、活発で遊び好きな猫です。体も大きく、元々ネズミ退治の仕事をしていた祖先を持っていますので、田舎のような広々とした環境で迎えてあげられるとメインクーンにとっても良いのではないでしょうか。また、体の大きさやふさふさとした被毛のお手入れができ、遺伝性の病気も覚悟した上で、最後まで一緒に暮らせるよう、しっかりと環境を整えて迎え入れてあげましょう。

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