猫の食欲不振、9つの原因と対処法について!

猫が元気で美味しそうにご飯を食べてくれると、飼い主さんは安心します。猫の食欲は、健康状態を知る上での重要なバロメーターのひとつです。猫が食べなくなった場合、飼い主さんはどのような観点で判断をすれば良いのでしょうか。猫の食欲不振の原因と対処法について考えてみましょう。

食欲は健康のバロメーター

猫が美味しそうにご飯を食べてくれていると、飼い主さんは「愛猫は元気だ!」とても安心できます。逆に、猫がご飯を食べてくれなくなると「どこか具合が悪くなったようだ!」ととても心配になります。中には、とても食欲が増進され、いつも以上にご飯を食べているのにどんどん痩せていくという病気もありますが、そういう特殊な場合を除けば、やはり食欲は愛猫の健康のバロメーターです。一緒に暮らしている大切な愛猫の食欲が落ちた時、大切なことは次の3つです。

・食欲不振の原因が病気なのか、そうではないのかの見極め 
・いつまで様子見をしていても大丈夫なのか
・食欲不振の時にも食べてもらうための工夫の仕方

この3点を意識しながら、猫が餌を食べなくなった時にどうすれば良いのかについて、考えていきましょう。

本当に食欲不振だと判断しても大丈夫?

私たち人もそうですが、一時的に食欲がなくなるということがあります。猫も同じで、たった1度の食事を食べなかったからといって、すぐに食欲不振だと判断するのは軽率かもしれません。一般社団法人日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)が飼い主さん向けにホームページで公開している猫の食欲不振に関する情報では、下記の時間以上食べていない時間が持続すれば食欲不振だと判断できるという基準が掲載されています。それは、下記の通りです。

年齢食べていない時間
1〜2ヶ月齢8時間
2〜3ヶ月齢12時間
3〜4ヶ月齢 16時間
1歳以上 24時間

たった1度の食事の様子で心配して動物病院に駆け込むのではなく、まずはこの基準の時間を目安に少し愛猫の様子を観察してみましょう。

こんな時はすぐ病院へ

逆に、のんびりと様子を見ていたために手遅れになってしまっては、元も子もありません。「これは明らかに食欲不振だな」と判断したら、次に重要なのはどこまで様子見をしていても良いのか。つまり、どのタイミングで動物病院へ連れて行くべきかということでしょう。食欲不振の原因が病気の場合、大抵は食欲不振以外の症状も一緒に現れます。なんの病気が原因かにもよりますが、嘔吐、下痢、便秘、鼻水、くしゃみ、咳、元気消失、ふらつき、水も飲まない等です。これらの症状を伴っている場合は、24時間待っても治らなければ、動物病院で診てもらうべきでしょう。もちろん、飼い主さんが緊急だと感じた場合は、24時間待たずに病院に行ってください。

また、猫が何も食べない状態が続くと、授乳中の子猫は低血糖、成猫の場合は脂肪肝(肝リピドーシス)という状態になり、命の危険もあるということを知っておいてください。まだミルクを飲んでいる1〜2ヶ月齢の子猫の場合は、他の症状がない場合でも、8時間を目安に病院へ連れて行きましょう。成猫の場合は、1日半(36時間)の間何も食べない状態であれば、他の症状がなくても病院へ連れて行きましょう。また、全く食べない訳ではないが食欲が落ちて3日(72時間)経ったという場合も、他の症状がなくても病院へ連れて行きましょう。特に肥満気味の猫の場合は、絶食が許される時間は36時間までで、それ以上続くと脂肪肝となり、急激に衰弱し黄疸が起こったりしますので、要注意です。脂肪肝に関しては、猫と人の違いが大きいので、人の感覚で「大丈夫」だと思わないようにしましょう。

病気以外の理由で食欲不振になる場合の原因

では、食欲不振の原因が病気ではなさそうだとなった場合について考えてみましょう。病気以外で食欲不振の原因になる要素としては、下記が挙げられます。

・ストレス(恐怖、興奮、環境の変化等)
・繁殖期
・分娩の前後
・同じ食事が続いたことによる飽き
・新しい食事に変わったことに対する警戒
・食器の縁がヒゲにあたることによるストレス
 →この場合は、浅めな食器に変えると良いです
・食事の匂いがしない
・食事が冷えている
・十分に満腹である

愛猫が食欲不振となった時の状況をよく分析し、これらの何が原因で食欲がなくなったのかを追求し、原因を排除しましょう。以下、猫の食欲不振に関してよくあるパターンについてご紹介しますので、参考にしてください。

昨日まで美味しそうに食べていたのに突然食べなくなった

昨日までは美味しそうに食べていたのに、ある日突然食べなくなってしまったというパターンです。これは、猫と一緒に暮らしたことのある方であれば、必ず一度は経験したことがあるのではないかと思うくらい、よく耳にする話です。これは、同じ食事が長く続いたために猫が飽きてしまったというケースです。猫は、味覚よりも嗅覚の方が発達しているため、「美味しそう!」という感覚も、味より匂いで感じる方が強いようです。また、ドライフードは長く保管しておくと匂いが飛んでしまいます。ドライフードの場合は保存方法を工夫したり、古いものは新しいものに買い換える等により、本来の強い匂いのものに変えたり、ウェットフードは冷蔵庫から出したての冷たいままではなく、猫肌程度に温めて匂いを強調した状態で給仕すると、また食べてくれることがあります。

なお、ドライフードもウェットフードも、耐熱容器に移して電子レンジで温めることで簡単に匂いを強くできます。それでもやはり食べてくれないという時は、別のフードに切り替えてみましょう。魚系風味のフードだった場合は、肉系風味のフードに変えるとか、粒の大きさや形状が異なるものに変更すると、よく食べてくれることが多いです。人もそうですが、猫も同じフードが長く続くと飽きてしまうのは、仕方がありません。同じフードを長く続けるのではなく、異なるフードとローテーションしながら食べさせるのが良いでしょう。特に持病のある猫は、療法食しか食べさせられない場合があります。その場合も、ドライとウェットだけではなく、複数メーカーのフードをうまくローテーションさせると食欲の維持に効果的です。

新しいご飯に切り替えたら食べてくれなくなった

猫が病気になり療法食を食べさせなければならなくなった、今まで買っていたフードが手に入らなくなった、愛猫の年齢に合わせたフードに切り替えたい等、さまざまな理由でフードを切り替えなければならなくなることがあります。その場合、猫は初めてのフードを警戒し、なかなか食べてくれないことがあります。この場合は、今まで食べていたフードに少しずつ新しいフードを混ぜて行き、最終的に新しいフードに完全に切り替えるようにすると、食べてくれることが多いです。少しずつ新しいフードの比率を増やしていき、最低でも1週間はかけて切り替えていくようにしましょう。なかなか慣れてくれない場合は、もっと時間をかけて切り替えていってください。フードは、1つの食器に混合状態で給仕して良いし、それぞれのフードを別々の食器に入れて給仕しても良いです。

食べてはくれるが食べ方が変わってきた

全く食べない訳ではないが、食べ方が少しずつ変わり、食べる量が減ってきたように見える場合もあります。子猫の場合、ミルクから離乳食、通常のフードへと、徐々にフードを切り替えていく必要がありますが、特にミルクから離乳食へと切り替える時期は、まだ胃が小さくて機能も未発達のため、1度に多くのフードを食べることができません。この頃は、無理に食べさせようとせず、再度ミルクを与えたり、フードを柔らかくふやかして与えたり、1度に与える量を少なくして回数を増やすなど、フードの与え方を工夫してみましょう。またこの頃は、そろそろ母猫から受け継いだ免疫の効果がなくなってくる頃なので、適切なタイミングで予防接種をするなど、健康管理面にも注意しましょう。老猫の場合は、加齢によるさまざまな現象により運動量が少なくなります。そのため、必要とするエネルギー量も少なくなり、食べる量が減ってくることがあります。食欲が落ちても、体重が維持できているのであれば、無理に食べさせる必要はありません。

なんでも食べる猫に育てるためには

猫は、初めてのフードだと警戒してなかなか食べないという話をしました。これを予防し、できるだけなんでも食べる猫にするためには、6ヶ月齢までの間にさまざまな食物を与えることです。この期間にごく限られたものしか食べなかった猫は、成猫になってからもごく数種類のものしか口にしないようになります。子猫のうちから一緒に暮らすことができる場合は、若いうちに多くの味や匂い、食感のフードを経験させ、なんでも食べられる猫に育てておきましょう。

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