猫のおもちゃの選び方と目的について!

猫にとって、遊びはとても重要です。野生の習性を残したまま進化した猫は、人と一緒に、しかも完全室内飼育の環境でも、野生の本能に従ったリズムを維持することで、心身の健康を保てるからです。そのための重要な要素が遊びであり、おもちゃです。おもちゃの目的と選び方について考えてみましょう。

猫は生まれながらの名ハンター

猫と人が一緒に暮らし始めたのは、今から約10,000年前だといわれています。かなり長い歴史がある訳ですが、それでも猫は、野生の習性を残したまま進化してきました。アニマルプラネットチャンネルで放送されている「MY CAT FROM HELL」で有名な猫の行動専門家であるジャクソン・ギャラクシー氏は、飼い猫の世界は原始的な野生の本能のリズムで回っており、それを維持することが飼い主の仕事であると言っています。そして、重要なリズムは「狩をして(Hunt)、獲物を捕らえ(Catch)、殺して(Kill)、食べ(Eat)、毛づくろいをして(Groom)、眠る(Sleep)」ことだと主張しています。つまり、完全肉食性の猫は生まれながらにしての名ハンターであり、狩をして獲物を捕らえ、それを殺して食べることがとても重要であるという訳なのです。しかし、人と一緒に暮らしている、しかも完全室内飼いの猫の場合、実際に獲物を捕まえさせて、それを食べさせるという訳にはいきません。それを埋め合わせるのが、おもちゃによる猫の遊びなのです。

猫のおもちゃに求めること

前述の通り、遊びは猫にとっての擬似的な狩です。狩ということは、当然獲物がいなければ成立しません。つまり、猫のおもちゃは、猫にとっての獲物にならなければならないのです。猫にとってのおもちゃの絶対条件は『猫の擬似的な狩の獲物となり、猫に満足感(達成感)を与えられること』といえるでしょう。猫の獲物といえば、ねずみ、鳥、へび、昆虫などです。したがって、ねずみや鳥、へび、昆虫の動きを再現でき、最終的に猫が実際に捕まえて弄ぶことができる形態のおもちゃが望ましいのです。飼い主さんがいかにおもちゃを上手に操って猫を夢中にさせられるかが、腕の見せ所だといえるでしょう。

猫のおもちゃ選びのポイント

実際におもちゃを選ぶときには、安全性を十分に考慮する必要があります。なぜなら、おもちゃは獲物ですから乱暴に扱われますし、必ず猫の口に入れられるからです。そのため、おもちゃ選びのポイントとして、下記の観点が挙げられます。そして、おもちゃとしての効果を発揮するおもちゃの条件として、下記のポイントも重要になります。

・頭を使わせる遊び方ができること
機械的な決まった動作しかしないものは、食いつきが良くてもすぐに飽きられてしまいます。猫の思考の裏をかくような動きをさせられるおもちゃが望ましいです。
・満足感を与えられること
猫の狩猟本能を呼び覚ます動きをしたとしても、最終的に捕まえて弄ぶことができないと、猫は満足感を味わえません。
・猫の五感を刺激できるのがベスト
なかなか100%満足できるというものは難しいでしょうが、なるべく猫の五感を刺激できるような要素を備えたおもちゃが望ましいです。猫の気を引く動きで視覚を、しっかりと捕まえられることで触覚を、ガサガサとした音で聴覚を刺激し、狩遊びが終了した後の食事タイムで味覚と嗅覚を刺激できれば、猫は十分に満足でき、野生の本能のリズムを維持させることができるでしょう。

どういうおもちゃが良いのか

市販の高価なおもちゃを買ってきても、愛猫があまり興味を示してくれなかったという経験をした飼い主さんは、多いと思います。それは、前述の条件を満たしていないため、猫の興味を引かなかった、もしくは興味を引いてもすぐに飽きられてしまったからだと考えられます。実際に筆者も、高いおもちゃよりもありふれたおもちゃや身近なもので簡単に手作りしたおもちゃの方が、猫が喜んで長く遊んでくれたという経験をしています。やはり、一番喜ぶのは猫じゃらしや釣竿タイプのおもちゃでしょう。飼い主さんが、これらのおもちゃを上手に獲物として動かすことで、猫は夢中になって捕まえようとします。

また、紙やアルミホイルを丸めて作ったピンポン球程度の大きさのボールを床に滑らせるように投げると、音と動きに反応して、夢中で追いかけて行きました。手作りボールやLEDライトの光を追いかけさせて遊びに誘い、その後猫じゃらし等で十分に焦らしながら狩をさせ、最後は獲物を捕まえさせて弄ばせるという順でうまく遊ばせられるのが理想です。うまくおもちゃを切り替えながら、愛猫に狩を十分に堪能させてあげましょう。最近は、猫のけりぐるみの人気が高いようですが、遊びの最後にけりぐるみを与えるのも、狩の達成感を味わってもらうのに最適かもしれません。

自動的に動くおもちゃは、導入部で遊びに誘うためには有効かもしれませんが、それだけで遊ばせるのはつらいかもしれません。また、猫用のLEDライトタイプのおもちゃも、実際に捕まえることができないため、導入部で使用した後、実体のあるおもちゃに切り替えるべきです。また、どんなに丈夫で安全な素材でできているおもちゃであっても、一人遊びをさせるべきではありません。誤飲などの事故を防ぐためにも、おもちゃを出しっ放しにはせず、必ず飼い主さんが一緒の時にのみおもちゃを出すようにしましょう。

たっぷり遊んでノーストレスで快適な暮らしを!

飼い主さんも、100%猫と一緒に過ごせる訳ではありません。仕事などで家を留守にしたり家事で忙しかったりと、愛猫と一緒に遊んでばかりいられる訳ではありません。しかし、愛猫が心身ともに健康で長生きできるように、1日の中で、必ず愛猫と一緒に遊べる時間を作ってあげましょう。遊ぶ時間は猫の体力に合わせ、休憩を挟んで短時間の狩を数回させる形が良いでしょう。そして、最後に狩は成功して食事となる。ただ単に運動をさせるだけではなく、このような体系的な流れにより、猫は十分な運動と共にストレス知らずの快適な暮らしを手に入れることができるはずです。

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