猫 ピーナッツ

猫にはピーナッツを与えない方が良い理由!

人と一緒に長く暮らしていると、飼い主さんが食べているものは食べ物だと認識して、自分も食べようとする猫がいます。しかし、人と猫では食性が異なるため、人の食べ物が全て猫にとっても良い食材だとは限りません。今回は、猫にピーナッツを与えない方が良い理由について説明します。

動物にはそれぞれに適した食性がある

猫

食性という言葉を聞いたことがあると思います。動物が食物を摂取する際の習性のことです。摂取する食物が動物性の場合は肉食性、植物性の場合は草食性、動物性と植物性の両方である場合は雑食性、そして生物の死体や分解しかかったもの、または排出物を食べる場合は腐食性といいます。動物の体は、それぞれの食性に最も適した形に作られています。つまり、口や歯、消化器官、骨格、筋肉などの構造や運動、消化の仕組みなどです。見た目にもわかりやすい例を挙げると、アリクイです。アリクイはその名の通り1日に3万匹のアリを食べるといわれています。しかし、アリしか食べない訳ではなく、ハチやカブトムシの幼虫なども食べるようです。

つまりアリクイは、虫を主食とした肉食性の動物で、しかもあまり硬いものは食べないという習性がある訳です。そのため、アリクイはその独自の食性に合わせ、歯がなく長い舌を持っています。もっと身近な例を挙げてみましょう。人は雑食性なので、動物性のものを噛み切ることのできる歯と、植物性のものをすりつぶして食べることのできる臼のような形をしている臼歯を持っていますが、肉食性の猫は、口の奥にある臼歯も臼のような形ではなく、動物性のものを噛み切るのに適した形をしています。目には見えませんが、消化吸収の仕組みも、人は雑食性に、猫は肉食性に適した作りをしているのです。犬も肉食性ですが、人と一緒に暮らしている期間が長いせいもあるのか、やや雑食性に近い肉食性を持っています。

しかし、猫は野性味を残したまま進化してきているため、完全な肉食性です。そのため、犬のために作られているドッグフードだけを猫に与えていると、猫に必要な栄養が足りずに健康を害してしまいます。このように、動物にはそれぞれに適した食性があり、体の作りもその食性に適したようにできています。したがって、自分たち人の常識をそのまま愛猫にもあてはまると考え、「これは健康に良いから食べさせよう」と安易に考えてしまうと、大きな事故につながる場合があることを、知っておきましょう。

猫にピーナッツを食べさせても大丈夫か

猫 ピーナッツ

前置きが長くなってしまいましたが、今回のテーマはピーナッツです。先日、インターネット上で殻の付いたピーナッツやむいたピーナッツの殻を食べたそうにして口を近づけている愛猫に向かって「ピーナッツ食べたいの?」と話しかけている動画を見て、驚きました。その動画はそこまででしたが、あのままいけば、猫が殻付きのピーナッツを口にしてしまってもおかしくないのではないかと思えました。しかし、長い前置きにも書いた通り、猫は完全肉食性の動物です。もしも野生で生活をしていたら、殻付きピーナッツを口にすることは、ほとんどないでしょう。もちろん、猫が殻付きピーナッツを食べる必要性も全くないはずです。果たして、猫にピーナッツを食べさせても大丈夫なのでしょうか。

猫に対するピーナッツの危険性

猫 ピーナッツ

米国ニューヨーク市に、ASPCA(The American Society for the Prevention of Cruelty to Animals:アメリカ動物虐待防止協会)という非営利団体があり、「動物虐待防止のための効果的な手段を合衆国に提供する」ことを理念として掲げ、活動をしています。この団体のホームページには、犬や猫のケアに関する情報の他、ペットに与えると危険な食べ物についても、「Animal Poison Control」として情報を提供しています。そこには、アルコール、チョコレート、かんきつ類、ぶどうなどと一緒に、「ココナッツとココナッツオイル」「マカデミアナッツ」「ナッツ」がリストアップされています。ココナッツについては、少量での摂取では重大な害は及ぼさないが胃のむかつき、軟便、下痢を引き起こす可能性のあるオイルが含まれているので注意が必要と書かれています。

また、マカデミアナッツは、犬の衰弱、うつ病、嘔吐、振戦(ふるえのことです)、および高体温を引き起こす可能性があり、通常摂取後12時間以内に現れておよそ12〜48時間続くことがあると書かれています。また、ナッツについては『アーモンド、ペカン、クルミなどのナッツには、大量の油脂が含まれており、脂肪はペットに嘔吐や下痢、また潜在的に膵炎を引き起こす可能性がある』と記載されています。ナッツとは基本的に木の実のことをいうので、マメ科のピーナッツは厳密にいうとナッツ類ではありません。

しかし、実際にはピーナッツもナッツ類のように扱われており、その効用や油脂が多いのも同じですので、ASPCAのAnimal Poison Controlのナッツに準じると考えて良さそうです。つまり、ピーナッツも猫に対して嘔吐や下痢を起こす可能性があり、また常習的に食べさせることで膵炎を引き起こす可能性があると思ってよいでしょう。また、私たちの身近にあるピーナッツは、バターピーナッツ、ピーナッツクリームなどのように食用に加工されている場合が多く、そうなると塩分や糖分なども加えられていて、猫にとってはより有害なので注意が必要です。

ピーナッツの中でも特に猫にとって危険な部分は殻

ピーナッツ

インターネット上でみかけた動画の猫は、殻付きのピーナッツやむいた殻そのものを食べたそうにしていました。形状的にみると、直接的により危険なのはピーナッツの殻の方ではないかと思います。ピーナッツの殻は、その大きさや形状などから考えて、猫には消化できず、場合によっては喉に詰まらせるとか腸閉塞を起こしてしまうことにつながりかねません。飼い主さんが殻付きのピーナッツを食べる際、うっかりピーナッツの殻を床に落としてしまったり、テーブルの上に殻を出しっぱなしにしたりすることで、うっかり猫が誤食してしまわないよう、十分に注意が必要です。

身近な食材を猫が誤食しないようにするためには

猫

今回ご紹介した食材の他にも、私たちにとっては必要で健康に良い食材であっても、猫にとっては危険な食材がたくさん存在します。また、子猫の時代は好奇心が旺盛で、なんでも口に入れて確認しようとしますので、「うっかりしていた」ではすまされないような事故を起こすことも十分に考えられます。猫と一緒に暮らす場合、猫には猫の食性にあったものを与えることを基本とし、それ以外の食材については猫の手の届くところに置いておかない、うっかり出しっぱなしにしない、床にこぼしてしまった場合はすぐに拭き取るということを習慣化し、万が一の事故が起こらないように十分注意しましょう。

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