猫 横になる

猫が熱中症になった時の症状や3つの対処法【予防策あり】

人と同様に、猫も暑さにより熱中症にかかります。重篤な場合は死に至ることも少なくありません。猫は、犬のように散歩等で外出する機会は少ないものの、留守番や車内、キャリーバッグ内などでの発症が多くみられます。症状や応急処置、予防策を知り、対策に努めましょう。

熱中症とは

猫

暑さにより体温調節ができなくなる機能障害を総称して、熱中症といいます。強い直射日光による日射病や、閉め切った部屋や車内での高温による熱射病も、熱中症です。熱中症は、温度だけではなく湿度も影響します。猫は暑さに強いといわれていますが、湿度の高い日本は熱中症になりやすい環境なので、注意が必要なのです。熱中症になると「高体温」「脱水」「低酸素」の状態となり、重症の場合は死亡率が50%といわれています。これらの状態になると、体内ではどのような変化が起きるのでしょうか。

<高体温>
高熱により体内のタンパク質に変性が起きるため、全身の毛細血管に血栓ができます。そうなると血液が全身に行き渡らず、酸素不足により臓器がダメージを受けます。体温が、直腸温で41℃以上になると、重篤で緊急治療を要する状態となります。
<脱水>
全身の水分が不足することで、胃腸や皮膚、腎臓や脳、心臓にまでダメージが広がります。
<低酸素>
酸素不足のため、猫は口を開けて舌を出し、ハァハァと荒い呼吸をするようになります。この呼吸を続けることでのどが腫れ、さらに呼吸がしづらくなってしまいます。この呼吸をしている場合は、すでに重篤な状態です。

健康な成猫と違い、子猫や老猫は体温調節がうまくできず、体力や抵抗力もないため、熱中症になりやすく命を落とす危険も高くなります。特に気をつけるべきなのは、肥満、高齢、腎疾患・心疾患・甲状腺疾患等の持病のある猫や、飲水量が少ない猫です。また、体の構造上、ペルシャのように鼻がつまっている短頭種の猫も熱中症になりやすいので、注意が必要です。

熱中症の原因

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気温が体温よりも高く、湿度で熱の発散効率が下がると体温調節がうまくいかなくなり、体温の上昇を抑えられなくなります。猫は肉球にしか汗腺がないので、発汗により体温を下げることができません。そのため、熱気のこもった室内や車内で起きることが多いです。人が快適に過ごせる環境にいる状態であれば、ほぼ問題はありません。夏季における車の中でのお留守番、エアコンが効いていない部屋でのお留守番、何らかの理由により自由に飲水できなくなった等の環境にいることが原因となりますので、これらの要素を排除した状態で過ごせるようにしてあげましょう。

熱中症の症状

猫 布団

熱中症になった時の猫の症状を下記に挙げます。

<軽度>
・体が熱い
・元気がない
・呼吸が早い
<中度>
・嘔吐する
・下痢をする
<重度>
・口を開けて舌を出し、ハァハァと息をする
・嘔吐物や下痢の中に血が混ざっている
・痙攣を起こす
・意識がなくなる
・チアノーゼが起こる
*チアノーゼ:酸欠状態で舌や歯茎が青紫のような色になる状態のこと

熱中症になった場合の3つの対処法

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軽症の場合は、体を冷やして水を飲ませた上で安静にする事で回復します。しかし、体温が高い、嘔吐や下痢を繰り返す、口で呼吸している場合は、迷わずすぐに動物病院に連れて行くべきです。応急処置をしながら動物病院に電話をし、状況を説明してすぐに診てもらえるように依頼しましょう。また、病院へ連れて行く際も、継続的に体を冷やせるよう、移動環境にも注意してください。愛猫が熱中症の症状を起こしている時に行うべき応急処置を下記に挙げますので、参考にしてください。

1、体を冷やす
何よりも大切なのが、体を冷やすことです。エアコンの効いた部屋に連れて行き、水に濡らしたタオルで胴体や首を包みます。タオルはすぐぬるくなりますので、こまめに取り換えます。氷枕や保冷剤を使っても良いです。また、首や背中に直接水をかけて体を冷やすのも効果があります。ただし、足を冷やしてはいけません。末端が冷えると、体の中心に熱が溜まってしまうためです。また、氷水を使用すると、逆に低体温になってしまう危険性がありますので、これも避けましょう。
2、水を飲ませる
できるだけ冷たい水を飲ませると良いでしょう。ただし、自力で飲めない場合は、無理に飲ませずに体を冷やすことを優先します。
3、呼吸困難時は息をしやすいように首の位置を調整
呼吸が苦しそうな場合は、首の位置を調整して補助してあげます。ただし、最優先事項は体を冷やすことです。

熱中症の5つの予防策

猫

暑さと水分補給対策が、熱中症の予防策です。いくつか具体策や注意事項を挙げますので、参考にしてください。

1、室温対策
飼い主さんが留守にする時や就寝時も含め、エアコンを利用して室温をコントロールする事が大切です。夏の場合、温度は27~28℃を目安にしましょう。猫が好んでいたがる高い場所は熱がこもりやすい場所でもあるため、エアコンだけではなく、サーキュレーターや扇風機を利用して室内の空気を循環させるのも良いです。ただし、猫が怪我をしないような工夫をしてください。また、熱伝導が低い素材を使ったシートなどの利用や、遮光カーテンで直射日光を防ぐのも効果があります。逃げ出せないような環境であれば、窓を開けて風通しを良くすると良いです。長毛種の場合は、夏季限定でサマーカットをし、放熱性を高めるのも効果的です。ただし、短くしすぎると皮膚へのダメージがあるため、プロのトリマーに相談しましょう。
2、留守番をさせる時の留意点
一室に閉じ込めることを避け、玄関など、陽が当たらず床温度が低いような場所に避難できるようにしておくことも大切です。扉が閉まらないように固定する等の工夫をしておきましょう。また、猫が乗ってしまいエアコンを誤操作してしまう可能性がありますので、リモコンは猫の手の届かない場所にしまっておきましょう。また、留守番をさせる時はケージに入れることにしているという場合は、ケージの設置場所を工夫してください。
3、水分補給
新鮮な水を十分摂取できるようにしておきましょう。水の容器は、複数箇所に置いておきましょう。
4、移動時の注意事項
キャリーバッグや車内に長時間閉じ込めておくのも危険です。移動の際も、換気や温度管理に配慮してください。ただし、くれぐれも逃げ出さないように注意しましょう。
5、保冷剤を利用する場合の注意事項
保冷剤は、エチレングリコールが使われていない凍るタイプのものを利用し、その上で猫が破って中身を口に入れないような工夫をしてください。エチレングリコールを食べてしまうと、急性腎不全で死に至る可能性があります。

熱中症は夏だけではない

猫

夏だけが危険な訳ではありません。梅雨時は、湿度が高く気温差も大きいため、室内の温度・湿度調節には気をつけましょう。また、冬にエアコンで暖房をつけておいたら、何らかの理由で閉じ込められてしまい、熱くなりすぎた部屋から出られなくなって発症することもあります。特に猫に留守番をさせる場合は、注意が大切です。また、エアコンの故障や誤操作が原因となる場合も多いので、メンテナンスを心掛け、誤操作にも注意が大切です。

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