猫 ブラッシング

猫のフケの3つの原因と5つの対策・予防とは!

人と同様に、猫もフケが出るのが正常な生理現象です。しかし、フケが多くなった場合、たかがフケだと軽く考えていると、実は病気だったという場合があります。動物病院で診てもらうべきかどうかを判断するための観点を知っておきましょう。

皮膚の構造

猫 横になる

猫の皮膚は、人と比べるととてもゆるいのが特徴です。皮膚がゆるいため、猫同士や自分よりも大きな獲物と取っ組み合っても致命的な傷に至ることが少ないのです。そんな猫の皮膚ですが、構造は人の皮膚と似ています。皮膚の最も外側にある表皮は、基底層から角質層までの4層構造になっています。最下層の基底層にある角化細胞が増殖し、それぞれの層へと分化した末に死んで厚い膜を持った強靭な角質細胞となって一番外側にある角質層を形成します。この角質層が外からの異物や病原体の侵入を防ぎ、体内の水分や栄養分の喪失を防ぐバリアとなってくれるのです。最終的に、古くなった角質細胞は表皮から剥がれ落ちてフケになります。

このように、角化細胞が分化を始めてはがれ落ちるまでの時間をターンオーバーといいます。健康な場合のフケは、日常的な毛づくろいにより十分に対処できるため、気にならないのが普通です。猫の場合、正常なターンオーバーは3週間程度です。しかし、何らかの原因によりターンオーバーの期間が短くなってしまうと、フケの量が増えて通常の毛づくろいでは対処しきれなくなってしまいます。フケの量が増え、スキンケアをしても元の状態に戻らないとか、痒みや脱毛を伴っているという場合には、注意が必要です。

フケが多くなる3つの原因

猫

フケが増える主な原因は、乾燥・強いストレス・病気の3つです。この3つについて、少し詳しくみていきましょう。

乾燥
乾燥すると、皮膚も乾燥するので表皮が剥がれやすくなります。そのため、フケが出やすくなります。私たち人も、冬になると肌が乾燥してフケが出やすくなったり皮膚の表面が粉っぽくなったりするのと同じです。完全室内飼育の場合、夏でも一日中エアコンをつけていると、やはり乾燥するのでフケが出やすくなります。
強いストレス
とてつもない恐怖を感じたり、強いストレスが長期間続いたりした場合に、フケが多くなる場合があります。猫も私たち人と同様に、身体面だけではなく心理面での健康も確保できるような生活環境が大切です。
病気
フケの増加を伴う主な病気としては、下記を挙げることができます。予防できるものについては、普段から気をつけるようにしましょう。また、体質等で発症する病気もあります。その場合は、生涯に渡る管理が必要な場合もありますので、動物病院と連携し、根気よく治療やケアを行いましょう。

感染性皮膚炎

カビ(皮膚糸状菌等)や寄生虫(ツメダニ、ニキビダニ(毛包中)、ヒゼンダニ等)などに感染することで発症する皮膚炎です。カビやヒゼンダニのように外から感染する場合と、ニキビダニのように常在微生物として表皮に普段から存在している微生物が異常に増殖する場合があります。外からの感染に対しては、感染ルートを遮断することで防ぐことができます。常在微生物が増殖する場合は、その猫が持っている増殖要因を究明し、対処する必要があります。何れにしても、動物病院でしっかりと原因を見極めてもらい、適切な治療とケアを続けていく必要があります。

アレルギー性皮膚炎/アトピー性皮膚炎

猫が本来備えている自衛のための免疫機構が過剰に反応し、正常であれば反応しないものにまで反応してしまい発症する皮膚炎をアレルギー性皮膚炎といいます。アレルギーを起こす原因となる因子をアレルゲンといい、この内、ハウスダストや花粉、化学物質などの生活環境中に存在し、皮膚に触れる可能性があるものを環境アレルゲンといって、これに起因する皮膚炎をアトピー性皮膚炎といいます。他に、食べ物もアレルゲンとなり得、この場合は食物アレルギーといいます。いずれにしろ、動物病院でアレルゲンを見極めてもらい、治療をしながら生活環境にあるアレルゲンを排除することが重要になります。

脂漏症

皮膚の皮脂バランスに異常をきたすことで発症する皮膚病です。脂漏症になると、表皮のターンオーバーに異常が生じて角化異常となるため、フケが過剰に認められるようになります。

スタッドテイル(尾腺炎)

尻尾の付け根の部分にある尾腺が炎症を起こして分泌物が過剰になる病気です。尾腺は、マーキングをする際につけるにおいの成分を分泌する腺です。スタッドテイルになると、皮膚にワックス状の物質が付着するとか毛が黄色や黒に変色するといった、皮膚の異常がみられます。また、皮膚の異常はないものの、毛がベタベタしたりフケが出たりといった症状が出る場合もあります。

栄養失調・脱水

何らかの病気により、栄養失調や重度の脱水を起こした場合、皮膚の栄養や水分も不足してしまい、毛艶がなくなってパサついたり、フケが生じたりすることがあります。

基本は動物病院での原因究明

猫 病院

最近フケが増えたなと感じた場合、こまめなブラッシングで猫自身の毛づくろいをサポートしたり、シャンプーや蒸しタオルで体を拭いたり等のスキンケアを行ってみましょう。それでも元の状態に戻らないとか、フケだけではなく猫が痒がっているとか脱毛しているといった症状も伴っている場合は、動物病院で診てもらいましょう。「フケが多いとか痒い程度のことは大したことではない」と考えてしまう飼い主さんも多いようですが、皮膚のトラブル、特に痒みは猫にとって大きなストレスになりますし、完治が難しく、長期間に渡る治療やケアが必要な場合も少なくありません。動物病院でしっかりと原因を究明してもらい、適切な治療と適切なケアを行うことが、何よりも大切です。

自宅でできるフケへの5つの対策・予防

猫 ブラッシング

動物病院で原因を究明してもらったら、動物病院としっかり連携した上で、適切な治療と並行して、自宅でも適切なケアを行いましょう。また、感染症のように予防できるものについては、日々の生活の中で、予防策を習慣化するようにしましょう。自宅でできるフケへの対策や予防を下記に紹介します。参考にしてください。

こまめなブラッシング
毛づくろいを猫任せにするのではなく、飼い主さんもこまめに猫をブラッシングしましょう。猫の皮膚の状態を良くするだけではなく、猫の皮膚の状態チェック、猫とのコミュニケーションを深める等の効果も期待できます。
定期的なシャンプー
猫にシャンプーをした後は、生乾きにせず、ドライヤーや速乾性のタオルでしっかり乾かし、その後に必ず保湿しましょう。なお、短毛種の猫には必須ではありません。
適切な湿度調節
適切な湿度や温度については諸説ありますが、一般的に湿度は50~60%、温度は18~29℃が良いと言われています。
皮膚病、感染症への予防
飼育環境の衛生管理をしっかり行う、猫を外に出さないといったことの他、飼い主さんはよその猫に触らないというのも大切です。しかし、触ってしまった場合は、愛猫に触る前に必ず手洗いを心がけましょう。
アレルゲンやストレッサーの排除
愛猫にアレルギーがある場合はアレルゲンを排除しましょう。環境アレルゲンの場合は、こまめな清掃や服の着用などが有用です。また、食物アレルギーの場合は、食餌内容に配慮しましょう。同時に、愛猫に極度なストレスを与えないように工夫しましょう。住居の改修工事などのように、事前に分かっているストレスに関しては、なるべく事前に対策を考えてあげましょう。

皮膚のトラブルは馬鹿にできない!

猫

内臓系の病気やケガと比べると、皮膚のトラブルはついつい軽く考えてしまいがちです。しかし、皮膚トラブルが愛猫に与えるストレスは、小さいものばかりではありません。「フケくらい病気じゃないや」と軽く考えてしまわず、ケアしても元に戻らない、痒がっている、脱毛しているなどの症状が併発している場合は、動物病院で診てもらい、しっかりと治療とケアを行うようにしてあげましょう。

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