猫 首を傾ける

去勢手術について。猫に気をつけるべきポイント

飼い主側の都合で行われる猫の去勢手術は、猫にとってもメリットが多いです。とはいえ、手術が与える猫への負担も大きいので、去勢手術が真の効果を発揮するための準備として、去勢手術をした後の猫の変化を事前に知っておきましょう。それが、適切な術後のケアを行うための備えになります。

なぜ去勢手術が必要なのか

猫 じっと見ている

大抵の方は、猫と一緒に暮らすことになると、猫に関する本を読んだりすでに一緒に暮らしている人から話を聞いたりして、猫を迎える準備をされることでしょう。すると、必ずと言って良いほど目にしたり聞いたりするのが、『避妊・去勢手術』のすすめだと思います。猫の繁殖能力はとても高く、避妊や去勢をしないと驚くほどのスピードで増えてしまい、その結果、望んでいた訳ではなくとも殺処分される不幸な猫が増えてしまうということになりかねないからです。雄に行う手術を去勢手術、雌に行う手術を避妊手術と言います。今回は、去勢手術に焦点を当て、特に去勢手術後に気をつけるべきポイントを解説します。去勢手術をすることで、雄猫は繁殖能力がなくなり、それに伴って発情しなくなるのが一般的です。手術方法には、精巣摘出とパイプカットの2種類があります。精巣摘出の方が一般的で、かつ確実な方法です。パイプカットの場合は、体内に精巣を残したまま精子の通り道を切断するだけなので、繁殖能力はなくなりますが、去勢後も発情してしまいます。そのため、去勢手術を受ける場合は、事前に獣医師に手術方法を確認することをおすすめします。今回は、パイプカットではなく、精巣摘出を前提に説明していきます。

去勢後に期待できる効果

 

猫 上を見ている

去勢の最も大きな目的は、望まない繁殖を防ぐことです。しかし、去勢後に期待できる効果はそれだけではありません。精巣を摘出してしまうということは、雄性ホルモンの分泌量が抑えられるということです。そのため、望まない繁殖を防ぐだけではなく、以下のような効果も期待できるのです。

・前立腺や精巣の病気を防止できる
・性格が穏やかになり、発情による喧嘩もなくなり怪我や感染症の予防になる
・発情による脱走の予防となる
・単独飼育の場合、発情しても交尾できないストレスを防止できる
・発情時特有の大きな鳴き声やマーキング(尿スプレー)を防止できる

これらの効果により、去勢手術を受けた猫自身もストレスや怪我・病気から解放され、飼い主さんも猫との生活を穏やかに送れるようになることが期待できます。

去勢手術後の猫に気をつけるべきポイント

黒猫 じっと見ている

もちろん、去勢するということは自然の摂理に反した行為ですので、メリットだけではありませんし、去勢後に注意しなければならないこともあります。それらについて、みていきましょう。

手術日当日

去勢手術では、陰のうをメスで切開して精巣を摘出します。手術時間は10分程度と短く、一般的にはその日のうちに帰宅することができます。しかし、全身麻酔を行なっているため、胃腸が正常な状態に戻るには、かなりの時間を要します。獣医師から、何時間は絶食するように等の指示が出ると思いますが、その後も食べたものを吐き戻したり、ぐったりとして食欲が戻らなかったりする場合もあるでしょう。食餌は一度にたくさん出すのではなく、少量ずつ小分けに与える方が良いでしょう。そして、愛猫の様子をしっかりと観察し、心配な点が見られる場合は動物病院に電話等ですぐに相談しましょう。また、猫はかなりのストレスを受けています。落ち着いていつもの状態に戻るまでは、あまりしつこくせずにそっと見守るようにしましょう。

手術後数日

傷口の状態には気をつけてあげましょう。嫌がるかもしれませんが、エリザベスカラーで傷口を舐めないように防御することも必要です。また、術後は一時的に免疫力が低下するので、感染症に罹るリスクが高まります。2週間程度を目安にシャンプーを控えるとか、多頭飼いの場合は他の猫から隔離する等の対策を行いましょう。

手術後

精巣を摘出するため、雄性ホルモンの分泌が抑制されます。そのため、ホルモンバランスが変化し、術前よりも太りやすくなります。術後は食餌の量をいままでよりも少なくし、肥満にならないようにコントロールしてあげましょう。去勢後の猫用に作られた、肥満を防止するための専用フードも市販されていますので、それを利用するのも良いでしょう。

去勢をしたのに、なぜ?

猫 首を傾ける

稀にですが、去勢後も発情時のような、マーキングしたり、発情期特有の大きな声で鳴いたり、雌猫にマウンティングをしたりすることがあります。我が家の雄猫も、去勢した翌年に迎えた雌猫が発情してしまい、気がついたらマウンティングをしていて驚いた経験があります。獣医師に相談したところ、行動が残っているだけで去勢手術が失敗している訳ではないので、繁殖することはないと言われました。慌てて雌猫の避妊手術を行ったところ、その後マウンティングもみられなくなりました。また、去勢手術のタイミングが遅く、既に何度か発情した経験のある猫ほど、行動が残ってしまい、発情時のような行動(尿スプレーによるマーキングやマウンティング)が残ってしまう可能性があると言われていますので、手術は発情が始まる前(約5ヶ月齢程度)に受けさせるのがベストでしょう。去勢後でも尿スプレーが抜けない場合は、ストレスや縄張りに対する不安が強いことが考えられます。ストレス要因を排除し、安心して過ごせる空間を作ってあげるようにしましょう。特に多頭飼いの場合は難しいでしょうが、キャットタワーや段ボール箱などを利用して、それぞれの猫が落ち着ける空間を確保してあげることが大切です。

しっかりとした去勢後のケアで穏やかな暮らしを!

猫 抱っこされている

去勢後の猫で特に問題になるのは、肥満の問題です。好きなだけ食べさせるようにはせず、カロリー計算と体重測定による食餌量の適切なコントロールをしてあげましょう。去勢にはさまざまなメリットがあります。去勢後の肥満コントロールは必要ですが、メリットの方が大きいといえます。そのため、どうしても繁殖させたいという事情がない限り、去勢した方が良いといえるでしょう。適切な時期に去勢手術を受け、去勢後の正しい対処を行うことで、飼い主さんだけではなく猫自身も穏やかに暮らせるようにしてあげましょう。

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