猫と野菜

猫のご飯について5つの大事なこと!

猫と一緒に暮らすことになったら、その日から必要になるのが食事のお世話です。でも、人間と同じ感覚で考えていると、猫に必要な栄養が不十分になり、病気を招いてしまうことにもなりかねません。また、市販のキャットフードにも色々なタイプがあり、自分の愛猫に適したものを選ぶ必要があります。今回は、猫のご飯について一緒に考えていきましょう。

人間と犬と猫では、必要な栄養素が異なる

猫がご飯食べてる

人間も犬も猫も、必要な6大栄養素があり、それは共通しています。ご存知の通り、「タンパク質」「脂肪」「炭水化物」「ビタミン」「ミネラル」「水」です。でも、だからといって猫も人間と全く同じ考え方でご飯を準備すれば良いかと言うと、それは間違っています。なぜならば、細かい部分で人間、犬、猫では必要な栄養やその量が異なるからです。一例を挙げると、必須アミノ酸の種類の違いです。人の必須アミノ酸は「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」「スレオニン」「メチオニン」「フェニルアラニン」「トリプトファン」「リジン」「ヒスチジン」の9種類ですが、犬はさらに「アルギニン」を加えた10種類が必須アミノ酸になります。猫は、犬の10種類にさらに「タウリン」を加えた11種類が必須アミノ酸になります。ですから、猫に犬用のフードを与えると「タウリン」が不足し、失明したり拡張型心筋症に罹ったりするリスクがとても高まります。

また、人間は雑食動物、犬は半肉食動物ですが、猫は真性肉食動物でほとんど植物を必要としないため、必要なタンパク質の量も人の5〜6倍、犬の1.5倍ととても多いのです。他にも、必須脂肪酸として猫はアラキドン酸を、ビタミンとしてはビタミンAを、それぞれ直接食物から取らなければなりません。犬の場合は、リノール酸からアラキドン酸を合成できますし、人や犬は人参などに含まれているβカロテンからビタミンAを合成できますが、猫はそれらの合成能力が低かったり合成するために必要な酵素を持っていなかったりするのです。

これらは一例ですので、猫に必要な栄養学的に満たされた食事を手作りで提供するのは、とても大変です。勉強する労を厭わず、手作り食を準備する時間の余裕が継続的に確保できる方は別として、大抵の場合は市販の猫用フードを利用するのが良いと思います。市販の猫用フードを利用する場合、必ず主食は「総合栄養食」と書かれているフードにしてください。「一般食」と書かれているフード(特に猫缶に多い)は、人間の食事で言うとおかずに当たるものなので、それだけを与えていると栄養的に偏ってしまいます。

猫の成長過程(ライフステージ)により必要な栄養素が異なる

猫がご飯食べようとしている

人間も同じですが、猫も、そのライフステージにより必要な栄養素が異なります。では、猫のライフステージとその時期に必要なフードを確認しましょう。

授乳期

生後4週間齢前後までの時期です。母乳の代わりになる代用乳です。粉ミルクや液状のミルクが市販されています。

子猫期

生後8週齢前後までは離乳食を与えます。ドライタイプの場合は水やミルクでふやかし、消化吸収しやすい状態にして与えた方が良いでしょう。成長するにつれて、徐々にふやかし具合を減らしていきましょう。その後、1歳までは、子猫用フードを与えます。市販のフードには、「子猫用」「成長期」「グロース」等と表示されています。子猫の成長に必要なタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルが強化された総合栄養食です。

成猫期

1歳から6〜8歳までの時期です。「成猫用」として様々なタイプのフードが市販されています。

高齢猫期

6〜8歳以降の時期です。高齢になると運動量が低下したり代謝率が落ちたりしますので、低脂肪・低カロリーになっています。また、高齢猫に不足しがちなグルコサミンなどの栄養素が補完されているものもあります。高齢用のフードは、さらに細かい年齢用に分類されているものもあります。

療法食

ライフステージとは異なりますが、猫が罹った病気によっては、療法食が必要な場合もあります。尿石、皮膚、甲状腺、腎臓、消化器、肝臓、肥満、糖尿、口腔管理や、病気回復期の栄養補助等、各社からそれぞれの療法食がドライタイプ、ウエットタイプで出ています。療法食はあくまでも食事療法の一環として与えるものです。安心して愛猫を任せられる動物病院をみつけ、獣医師と相談しながら適切な療法食を必要に応じて与えてください。獣医師の処方なく、飼い主さんが自己判断で勝手に療法食を与えるのは危険ですからやめましょう。

猫がご飯を食べてくれない時にはどうすれば良いの?

猫とフルーツ

食欲が減退する症状を呈する病気があります。病院に行き、きちんと診察を受けて、処方された薬も飲ませているのになかなか食欲が回復せず、痩せてきてしまうこともあります。また、先に紹介した療法食は、猫にとってあまり美味しいものではないようで、療法食に切り替えたら食欲がなくなってしまってなかなか食べてくれないと困ることも、ままあります。そんな時には、どうすれば良いのでしょうか。

食器の工夫

猫は、口が広くて浅い食器を好むようです。食べる時に食器の縁にヒゲが当たらない程度に口が広く浅い食器の方が、食欲を落とさないようです。ただし、猫も高齢になるとだんだん上手に食べられなくなり、お皿の縁からご飯をこぼしてしまうので、高齢猫の場合は、適度な深さがあった方が良いかもしれません。また、材質はプラスチックではなく陶器やステンレスの方が良いでしょう。プラスチックは匂いが残りやすく、また衛生面でもあまり好ましくありません。もちろん、陶器やステンレスの食器でも、毎回お水やフードは新しいものに取り替えて、かつ食器も毎回必ず洗ってあげてください。猫はストレスに弱いため、入院すると何も食べなくなってしまうこともしばしばです。そういう場合は、愛猫がいつも使用している食器を病院に持って行き、使ってもらうように頼んでみましょう。

フードを切り替える場合は時間をかける

獣医師から療法食をすすめられた場合、愛猫のためにも早く療法食を食べてもらいたいと思うのですが、愛猫はなかなか切り替えた療法食を食べてくれないものです。そういう時は、焦らないでください。早くても7日、長くて4週間くらいかけないと食餌の切り替えはできないと思ってください。最初は今までのフードと新しいフードを9:1の割合で与えます。それを、少しずつ時間をかけて、新しいフードが10割になるように変えていきます。愛猫の様子を見ながら割合を変えていってあげてください。フードを切り替える時、今までのフードと新しいフードを同じお皿に混ぜて出す方法と、別々のお皿に分けて出す方法があります。どちらが良いと優劣はつけられませんが、9:1で出した時にうまく食べてくれない場合は、別々のお皿に分けて出す方法を取ってみると、うまくいくかもしれません。

フードを温めてから出す

缶詰などのフードは、一度に食べきれないと残りを冷蔵庫で保管するため、給仕する時には冷たい状態ということがあります。そんな時、電子レンジで少し温めると食べてくれることがあります。また、同様にドライタイプのフードも電子レンジで温めるとよく食べることがあります。いずれも、温めると美味しい匂いがしますので食欲を刺激してくれるのかもしれません。いつも食べるのに今日は食べてくれないという時は、ちょっと試してみてください。ただし温め過ぎには注意してください。

別のブランドに変えてみる

新しい療法食を、どうしても受け付けてくれない場合などは、同じ療法食でも別のブランドの物に変えると食べてくれることがあります。動物病院には、療法食のサンプル(小袋)を置いているところも多いので、初めて療法食に切り替える場合はいくつかのブランドのサンプルを貰って試してみると良いでしょう。また、同じブランドの療法食でも、ドライタイプは食べないけれども缶詰は食べてくれるといったような場合もあります。色々と試してみると良いと思います。

盛り付け方を工夫する

ウェットフードの場合、広い食器に浅く広く盛ると、ヒゲが当たって嫌がる場合があります。口の広い浅い食器を用意するのと同じ理由で、ウェットフードの場合は小さい山を作るように盛り付けると、ヒゲが当たらずに食べやすくなります。

「おやつ」ってあげても良いの?

猫とご飯

考え方はそれぞれですが、筆者はおやつをあげても良いと考えています。愛猫にも、何か特別なご馳走というご褒美があっても良いと思うからです。また、普段主食として与えているフードの他に、おやつ用のフードや人間用のフードをおやつとして与えておき、愛猫の大好物を作っておくと、本当に何も食べてくれなくなった時におやつをあげることで、何も食べない状態を脱するきっかけになることもあります。

市販されているおやつの他に、生クリームや海苔、牛乳、マグロのお刺身等の人間が普段食べている食材も、たまに少量を与える分には問題ないと思います。行きつけの獣医師に「○○を食べたがるのですが、たまにこれくらいの量をあげる分には構いませんか?」と相談しておくと、安心して与えられます。なお、おやつなので与え過ぎは良くありません。栄養バランスを崩さないためにも、1日の摂取カロリーの20%以内に抑えるようにしてください。市販のフードでは、「おやつ」「トリーツ」「スナック」等と表示されているものが該当します。

猫に食べさせてはいけない食べ物

猫と野菜

人間が普通に食べている食べ物でも、猫にとってはとても危険で、場合によっては命を落としてしまうようなものもあります。ここでは、代表的なものをご紹介しますが、猫に禁忌の食べ物は、ネットにも書籍にも沢山情報が出ていますので、色々と調べてみてください。

ネギ類

玉ねぎ、長ねぎ、ニラ、わけぎ、らっきょう、アサツキ、ニンニクなどネギ科の植物全般は、猫に与えないでください。アリルプロピルジスルフィドという成分が原因で、溶血性貧血を起こします。重度の場合は死に至ることもありますので、ありふれた食材ですが、猫の手に届く所に置きっ放しにしないよう、気をつけましょう。

アワビ

アワビの内臓に含まれるピロフェオホルバイドaという成分が原因で、光線過敏症を起こします。猫の耳は毛が薄いため、耳が光線過敏症になると激しいかゆみが生じて耳を掻きむしってしまいます。耳の組織が壊死してしまうこともありますので、気をつけてください。

チョコレート

チョコレートやココアは、成分であるカカオマスに含まれているテオブロミンが原因で心臓や中枢神経系を刺激するため、与えてはいけません。下痢、吐き気、血圧上昇、不整脈、興奮、痙攣発作等を引き起こし、重度の場合は死に至ります。

まとめ

猫がご飯食べている

外で生活している猫達は、とにかくご飯にありつけるために努力します。地域猫としてご飯をもらえる猫は別かもしれませんが、そうではない場合、狩が失敗するとご飯にはありつけないという日が続くことだってあるのです。しかし、人間と一緒に暮らしている猫は、毎日決まった時間に必要な量の食べ物をもらえるため、狩に勤しむ必要がありません。逆に言うと、猫達はとても退屈しています。

退屈は、猫にとってとてつもなく大きなストレスになります。狩をさせてあげることはできませんが、例えばペットボトルを改造して、猫が工夫をして穴からドライフードを出さないと食べられないような仕掛けを作り、それを使って食事をさせることで、猫は、頭と身体と時間を使い、退屈せずに食事をすることができます。猫に刺激のある快適な生活をしてもらうため、食事に関してもちょっとした工夫をしてあげることで、より良い生活環境を提供することができますので、愛猫にふさわしい食事と一緒に、食べ方にも一工夫を考えてみてください。

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