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猫の体温調節と体温の測り方

自宅で猫の体温を測り、健康状態を把握できると安心です。しかし、動物病院のような正式な計測方法は、ちょっとハードルが高いと思っている飼い主さんが多いと思います。自宅でもできる猫の体温の測り方と、飼い主さんがしてあげられる体温調節のサポート方法について解説します。

自宅でも猫の体温を測りたい

猫 体温計

自分の体調や家族の体調が悪いとき、私たち人間はすぐに体温を測り、健康状態の把握に役立てます。愛猫を動物病院に連れて行った時にも、必ず病院で猫の体温を測ってくれます。病院では、動物用の体温計を愛猫の肛門に挿して計測しています。そのため、体重や飲食量の計測とは異なり、自宅での体温の計測はハードルが高いと思っていませんか。しかし、自宅で愛猫の体温を測定できれば、しばらく様子を見るか、すぐに動物病院に連れていくかの判断にも役立ち、安心できますよね。今回は、自宅で愛猫の体温管理をするために知っておきたい基礎的なことについて、解説します。

猫の体温の測り方と平熱

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まずは基本中の基本である、猫の体温の測り方と平熱について知っておきましょう。

猫の体温の測り方

基本的には、動物病院で体温を測ってもらう時の方法が理想的です。体温計の先端をラップで包み、ワセリンを塗って2〜3cm程度の深さまで猫の肛門に挿して測ります。体温計を挿す時は、猫の尻尾の付け根を引き上げるように持って、肛門がよく見えるようにすると入れやすいようです。動物用の体温計は先端が柔らかくなっているので、猫が動いても体の動きに合わせて上下左右に曲がるので、直腸を傷つけることもなく安全です。もちろん、動物用ではなく、普段家庭で使用している人間用の電子体温計でも計測できます。万が一昔ながらの水銀体温計を使っている場合は、じっとしていないので猫への使用は避けましょう。ただ、家庭での健康管理のレベルなので、筆者は必ずしも肛門での体温を測定する必要はないと考えます。

人間の赤ん坊に使用する、耳で計測するタイプの体温計を使用することも可能です。耳で計測すると、肛門での体温よりも低めの温度になりますが、継続して計測すれば、体調の変化を把握することができますし、素人が恐る恐る肛門に体温計を挿すよりも、耳での計測の方が猫へのストレスも減らせると考えるからです。もっと極端な言い方をすれば、体温計を使用せず、飼い主さんの手を後肢の付け根に差し入れて体温を測ることもできます。温度を数値として記録に残すことはできませんが、「いつもよりも低い」とか「いつもより高い」という感覚だけでも、猫の体調変化を把握することはできるからです。

愛猫がまだ若くて健康な時は、この方法で十分かもしれません。筆者の愛猫は高齢となり、かつ複数の持病を持っていますので、現在は数値として記録を残すために耳で計測するタイプの体温計を使用しています。人間同様に、猫も計測時の状態や時間によって体温が変わりますので、計測するタイミングはできるだけ同じような時間で同じような状態の時に測る方が好ましいです。筆者の猫は、皮下補液をして薬を飲んだ後、疲れて筆者に抱かれたまましばらく眠る習慣があるので、その時に計測しています。

猫の平熱

成猫の平熱は、肛門で計測した場合37℃代後半から39℃程度です。耳で計測した場合は1℃程度低くなりますので、その点を考慮してください。筆者の愛猫は、耳で計測してだいたい36.7℃程度ですが、病院に行き肛門で測ってもらった場合は38℃前後のことが多いです。子猫の平熱は成猫よりも低く、出生時で35℃代程度、1週齢で35℃代後半から36℃代後半程度、2週齢で37℃程度、3週齢で37℃代後半程度です。子猫は、特に自力での体温調節が苦手なので、飼い主さんが積極的に支援してあげましょう。気温が高くなると外気からの影響で体温が高くなります。そうなると、成猫は自ら床や陶器などの温度の低いところに移動して、体をなるべく広げて密着させるとか、体温より低い風にあたるなどの行動をとり、平熱に戻そうとします。

逆に気温が低くなると体温も低くなります。そうなると、成猫は暖かい場所を探して暖まります。こたつに入って丸くなるのもその一つです。複数の猫が同居している場合は、猫達が丸くお団子のように重なり合ってお互いに暖をとります。昔のテレビは奥行きがあったので、テレビの上で暖まっている猫も多かったのですが、最近のテレビは薄くなったため、猫にとっては気の毒な環境になりました。外猫は、暖かい場所が見つからなくても冷たい風を遮ってくれる場所を探して丸くなり体温の発散を防ごうとします。また、車庫などに停めてある車のエンジンルームなどに入り込むのも、体温の低下を防ぐためです。車を動かす前には、必ず「猫バンバン」をして猫がいないことを確認してからにしてください。

猫の熱が高い時の対処法

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病気で高熱を出している場合ではなく、夏の熱中症などで体温が高くなってしまった場合の対処法について考えていきます。猫の生死に関わる体温の境界線は肛門計測値で43.5℃だと言われています。そして、肛門計測値で41℃を超えると熱中症だと言われています。熱中症の初期症状で一番わかりやすいのがパンティングと言われている呼吸法です。犬のように口を開けて舌を出してハァハァと息をするのがパンティングです。猫がパンティングをしている場合は、犬と違いかなり暑くて苦しんでいる証拠ですので、すぐに対処する必要があります。さらに症状が進むと猫はぐったりしてしまいます。これらの症状が見られた時は、すぐに猫の体温を確認してください。そして、体温が高い場合はすぐに下記の対処を行い、なるべく速やかに動物病院に連れていきましょう。

・室内の温度を下げる
・水を飲ませる
 ・体に水をかけ、扇風機などで冷やす

猫の熱が低い時の対処法

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同じく、冬場の寒さで猫が低体温症を起こしてしまった場合の対処法について考えていきます。人が寒い時にブルブルと震えるのと同じように、猫も寒い時はブルブルと全身を震わせます。筋肉を振動させることで体温を上げようとするのです。しかし、それだけでは追いつかず、低体温症になってしまう場合があります。猫が長時間寒い場所で過ごしてしまい、ぐったりしたような場合には、すぐに体温を確認し、低い場合は下記の対処を行なってなるべく速やかに動物病院に連れていきましょう。

・室内の温度を上げる
・ストーブ、カイロ、ヒーターなどで体を暖める
・ケージ内にいる場合はケージにも毛布をかける
 ・水やフードを電子レンジで人肌に温めた状態で食べさせる

必ずしも体温計を用意する必要はない

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前述の通り、基本的に元気な猫に対しては、家庭で体温計を使って正確な体温を測定する必要はないと思います。後肢の付け根に手を差し入れて普段の温度を知っておき、それよりも高いか低いかの判断で十分でしょう。しかし、高齢化した猫や持病を持っている猫に対しては、耳で計測するタイプの体温計で構いませんので、数値としてきちんと把握できるようにしておくと安心です。大抵の本には肛門で測定した際の直腸温が記載されていますので、耳で計測した場合はそれよりも1℃程度低くなるということを意識して判断してあげましょう。猫のための健康管理なので、猫に与えるストレスが最小限になるように工夫しながら、飼い主さんとその愛猫にあった、適切な管理方法を見つけてください。

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