猫横顔

猫好きなら知っておきたい猫アレルギーのこと

猫アレルギーに悩んでいる方はもちろん、アレルギーではない方でも、知らずに周囲に迷惑をかけることなく猫と一緒に暮らしていくためには、猫アレルギーについての基礎的な知識を持っておくのは大切なことです。猫好きな方なら知っておきたい猫アレルギーについて、説明します。

猫アレルギーになっても猫と一緒に暮らす方法はある?

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猫と一緒に暮らしたいのだけれども猫アレルギーだと診断されてしまった、猫と一緒に暮らしていて今まで何ともなかったのに突然猫アレルギーの症状が出てしまったなど、猫アレルギーであるのに猫と一緒に暮らしたい、暮らさなければならないという人は案外多いようです。そんな場合に、適切な治療と一緒に猫との暮らしを工夫することで、一緒に暮らすことができる場合も少なくありません。猫アレルギーだけれども猫が大好きで一緒に暮らしたいとか、仕事上猫との接触を避けられないという方にできる対処法について考えてみたいと思います。また、周囲に猫アレルギーの方がいた場合、知らずに悪い影響を与えてしまうこともあるかもしれません。猫と一緒に暮らしている方は、自身のアレルギー有無とは関係なく、猫アレルギーについて知っておくべきではないでしょうか。

なぜアレルギーになるの?

動物の体には免疫機構が備わっていて、体内に細菌やウィルス等の異物が侵入すると、それを攻撃して感染症などの病気を防ぐことができます。そして、この異物に対する抗体を作ることで、その後同種の異物が侵入した場合に速やかにこの異物を攻撃することができるようになります。この免疫機構をうまく利用しているのがワクチン注射で、インフルエンザに感染しても症状が重症化することを防ぐことで、本人にとっても有益であり、かつ周囲への感染力を弱まらせることで公衆衛生にも大きく貢献していることは、よくご存知だと思います。アレルギー症状は、この免疫機構のバランスが崩れ、特定の物質に対して過剰に免疫反応を起こしてしまうことで発症します。アレルギー症状を引き起こす特定の物質のことをアレルゲンと言い、スギ花粉やブタクサの花粉などがアレルゲンとなるアレルギーが花粉症です。

そして、猫が持っている物質がアレルゲンとなるアレルギーが、猫アレルギーと呼ばれるものなのです。猫アレルギーのアレルゲンはFel dというタンパク質で、Fel d1からFel d8までの8種類があります。以前は、猫アレルギーのアレルゲンは猫の毛だと誤解されていましたが、これらのアレルゲンが直接猫の毛に含まれているわけではありません。アレルゲンは、唾液、涙、ふけ、尿などの中に含まれています。しかし、猫の毛がアレルギー症状の発症に関わっているのは事実です。猫がセルフグルーミングで舐めた時の唾液がついた毛を触ったり、その毛が抜けて宙に舞ったりすることでアレルギー症状が引き起こされることもあるからです。

猫アレルギーってどんな症状が出るの?

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症状は、ごく軽いものから命の危険に関わる重篤なものまでありますが、猫アレルギーの主な症状を挙げると次のようになります。軽い場合は、目のかゆみ・充血、鼻水、くしゃみ、喉の痛み、咳、息がゼーゼーする、皮膚のかゆみ・発赤・腫れなどです。重くなると、喘息症状、呼吸困難、胸の締めつけ感、嚥下困難、下痢、吐き気・嘔吐、最も重篤な場合は死に至る場合もあるのです。猫と直接触れた場合はもちろんですが、接触していなくても同じ空間にいるだけで症状が出ることもあります。また、アレルギーにはそれまでなんともなかったのにある日突然発症するという特徴がありますので、すでに猫と一緒に暮らしていた方でも、突然アレルギー症状に悩まされるということもあるのです。

猫アレルギーがあっても猫と一緒に暮らすためにできること

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前述の通り、アレルギー症状が重篤な場合は死に至ることもありますので、安易に「猫アレルギーがあっても猫と一緒に暮らすことは可能である」とは言えません。しかし、軽い症状であれば、工夫次第で猫と一緒に暮らしたり触れ合ったりすることは可能です。そのようなことをすれば良いのかについて、みていきましょう。

抗ヒスタミン薬等により症状を緩和させる

まず、「猫アレルギーかな」と思ったら、ご自身が病院でアレルギー検査を受け、症状を抑えるための薬を処方してもらいましょう。花粉症と同様に、抗ヒスタミン薬によりアレルギー症状を抑えることが可能です。

マメにブラッシングを行う

アレルゲンが毛につき、その毛が抜けて宙を舞ったり床に溜まったりし、飼い主さんがそれに触れることでアレルギーが発症します。そのため、抜け毛が拡散しないようにすることが重要になります。そのためには、マメにブラッシングを行い、抜けた毛を集めてビニール等に入れてしっかりと口を縛り、ゴミ箱に捨てましょう。抜け毛をなるべく舞い上げないようにブラッシングするため、目の細かい櫛を使用するのが良いでしょう。同様の目的で定期的にシャンプーすることもおすすめです。しかし、シャンプーを嫌がる猫も多いので、そのような場合には十分なブラッシングと蒸しタオルで体を拭くだけでも効果は大きいようです。なお、猫アレルギーではないご家族がいる場合には、ブラッシングやシャンプーはその方にお願いする方が良いでしょう。

天井・壁も含めて家の中をよく掃除し、埃や猫の毛、ふけなどを排除する

とにかく室内のアレルゲンを排除することが大切です。そのため、天井や壁も含めて室内をよく掃除し、埃や猫の毛、ふけなどを室内に残さないようにしましょう。猫の尿中にもアレルゲンが存在していますので、猫のトイレもマメに掃除をしてください。また、布の繊維にはアレルゲンが付着しやすいので、布製品もこまめに洗濯しましょう。洗濯できないものは、掃除機をかけてアレルゲンを取り除きましょう。カーテンやカーペットも同様です。床は、できればカーペットを敷かずにフローリングのままの方が良いでしょう。さらに、室内に浮遊しているアレルゲンを取り除くために、空気清浄機を使用するのもおすすめです。最近は、ペット用を意識した製品も出ていますので、極力細かい異物も取り除ける製品を選びましょう。

寝室には猫を入れないようにする

猫アレルギーの方は、寝室には猫を入れないようにすることをおすすめします。寝具は布なのでアレルゲンが付着しやすいですし、布団を共有することで、長時間アレルゲンに接することになるからです。

猫と触れ合った後はすぐに手を洗う

猫アレルギーに限りませんが、猫と触れ合った後には必ず手を洗いましょう。また、手を洗う前の状態でうっかり目や鼻をこすったりしないよう、注意しましょう。

一緒に暮らす猫の種類を考慮する

猫アレルギーの方も一緒に暮らせるようにという意図で作出されたのが、スフィンクスです。スフィンクスは毛が非常に短く抜けづらいため、猫アレルギーの方も一緒に暮らしやすい品種だと言われています。また、オスの方がより多くのアレルゲンを分泌すると言われています。可能であれば、オス猫よりもメス猫と一緒に暮らす方が良いでしょう。また、オス猫であっても去勢手術を行うことでアレルゲンの分泌量を減らすことができると言われていますので、オス猫と一緒に暮らす場合は去勢手術をすることをおすすめします。

過ぎたるは猶及ばざるが如し

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現代人は、以前と比べてアレルギーになりやすいと言われています。その原因の一つに、幼い頃から清潔すぎる環境で生活していることが挙げられています。科学的にも、子どもの頃に動物と一緒に暮らしていた人の方がアレルギーになりにくいことが分かっています。小さなお子さんのいるご家庭では、潔癖な環境で育てるよりも、かえって動物と一緒に暮らす方が、お子さんをより健康的に育てることができると言われているのです。

もしも途中から重い猫アレルギーを発症してしまったら

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前述の通り、アレルギーはある日突然発症することがあります。すでに猫と一緒に暮らしている方で、ご紹介した方法でも通常の生活を維持できないとか、命の危険を感じるほどのアレルギー症状が出るという場合は、猫との暮らしを断念するしかありません。その場合、安易に飼育を放棄してしまうのではなく、責任を持って愛猫の次の飼い主を見つけるようにしてあげてください。これは、生き物と一緒に暮らす上での最低限の義務です。ご自身の力だけではどうにもならない場合、かかりつけの動物病院や誠意ある活動をしている愛護団体などに協力を依頼することも可能なはずです。簡単に諦めたり他人に頼り切ったりすることなく、最後まで自分の責任という自覚ある行動が、飼い主さんとしての義務だと考えましょう。

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