猫の目

猫の涙が出ている場合に疑われる5つの病気

猫の目の周囲が赤茶色になっているのを見たことはありませんか。猫の涙は太陽光に当たると赤茶色に変色し、涙やけになります。このような状態は、病気のサインかもしれません。猫に赤茶色の涙やけができているときは、どういうことを考えなければならないのでしょうか。

目頭や目の下が赤茶色!?

猫

大きくてつぶらな瞳は、猫の魅力の一つです。ところが、目の周囲が白い毛の猫の場合、目頭や目の下が赤茶色になっていてびっくりしたことはありませんか。それは、猫が流した涙の色です。本来、涙の色は透明です。しかし、犬や猫の涙に太陽光が当たると、涙は赤茶色に変色するのです。涙の中にはラクトフェリンというタンパク質が含まれています。このラクトフェリンは、外気中の鉄イオンと結合して赤茶色になり、そこに紫外線が当たることで変性して毛をしっかりと赤茶色に染めてしまうのです。これが、いわゆる涙やけです。このように、涙が赤茶色に変色すること自体は病気ではありません。

しかし、猫の涙も人の涙と同じように、通常は瞳の表面を潤すだけで、目からこぼれることはありません。人は感情により涙をこぼすことがありますが、猫は悲しい、嬉しい、悔しい、つらいといった理由で涙をこぼすことがありません。つまり、涙やけを起こしていること自体が異常のサインだといっても良いでしょう。目の周囲が黒い毛の場合は、ティッシュなどで目の周りを拭いて赤茶色の涙がつくかどうかで確認できます。もし、愛猫にいつも涙やけができているのであれば、病気のサインかもしれません。

常に涙が出ている場合に疑われる病気

猫

猫の場合も、人と同じように目にゴミが入ったりあくびをしたりすると、涙が出ます。このような、日常生活の中で一時的に涙が出るという場合は、特に心配する必要はないでしょう。心配なのは、涙の量が多い、涙やけができるほど常に涙が出ている、涙だけではなく目やにもたくさん出ている、涙だけではなく体調も悪そうなどというときです。そのような場合は、何らかの病気を抱えている可能性が高いです。猫がいつも涙を流しているような症状を流涙症と言いますが、このような場合に疑われる主な病気には次のようなものがあります。

・鼻涙管や涙小管の狭窄や詰まり
 基本的に、涙は常に目の表面に一定量あるのが普通です。涙腺から出た涙は目の表面を潤し、涙小管や鼻涙管を通って鼻の方に抜けていくのですが、時々この管が狭くなっている、詰まっている等の理由で涙が鼻に抜けずに目から溢れてしまうことがあります。先天的な場合と後天的な場合がありますが、特にペルシャなどの鼻の低い(短い)品種に多いようです。以前我が家にいた猫は、鼻の低い品種ではなくごく普通の雑種でしたが、先天的に鼻涙管が詰まっていたようで、常に右目だけ涙を流していました。
・眼瞼内反症
 眼瞼(がんけん)とは、まぶた(瞼)のことです。まぶたが内側に巻き込まれたような状態になってしまい、常にまぶたの被毛が目の表面を刺激するために起こります。やはり、鼻が低い(短い)品種の猫や、老齢猫に多いようです。現在筆者と一緒に暮らしている猫も、18歳になってから眼瞼内反症になり、常に右目だけ涙を流している状態になりました。
・目の病気(結膜炎、角膜炎、マイボーム腺腫など)
 結膜炎、角膜炎、マイボーム腺腫などの目の病気の場合も、涙やけになるほど涙が出たり、目やにが出たりする症状を表します。結膜炎や角膜炎は、ウィルスや異物による刺激、傷などが原因となります。マイボーム腺腫とは、まぶたにできる良性の腫瘍のことです。この腺腫が物理的に目を刺激して、涙が過多になります。
・目のけが
目に異物が入ったり喧嘩をして目の表面に傷をつけたりすると、涙が過多になります。そのままにしておくと、結膜炎や角膜炎の原因にもなりますので、愛猫が涙を流しながら目を気にしている様子を見せた場合は、きちんと治療してあげましょう。
・その他の病気
その他に、猫風邪(猫ウィルス性鼻気管炎、猫カリシウィルス感染症、クラミジア、マイコプラズマ)や副鼻腔炎、アレルギー疾患などでも流涙症の症状が出ます。これらの病気の場合は、涙だけではなく、鼻水やくしゃみ、咳も出る等の症状がみられます。

勝手な判断はしないで!

猫

愛猫に涙やけができていたり、いつもと様子が違っていたりしたら、自己判断で勝手な処置をせず、きちんと動物病院で診察してもらいましょう。病院好きの猫は、そうそういません。猫が嫌がるからと病院を避けるのではなく、愛猫からつらさを取り除くためだと考えてください。その上で飼い主さんにできることは、下記のような自宅でのケアです。

・歯磨き、ブラッシング等の日々のケアの中で、目の周りも清潔に保ちましょう(目を拭くときは、左右の目を同じガーゼ等で拭かないようにしましょう)
・定期的なワクチン接種で感染症を予防しましょう(猫風邪の原因となるウィルス感染症はワクチンで予防可能です)
・アレルゲンを持ち込まない(室内の掃除をし、帰宅時には洋服をはたいて花粉や汚れを落としましょう)
・愛猫のケアをする前は飼い主さんの手も清潔にしておきましょう(特に、よその猫を触った手を洗わずに愛猫を触らないこと)

目薬のさし方

猫の目

愛猫の涙やけで動物病院に連れて行き、診察してもらった結果、自宅で目薬をささなければならなくなることもあるでしょう。ここでは、簡単に目薬のさし方について説明します。なお、詳細については『上手に薬を飲んでもらう方法!薬ごとの正しい対処法と注意点』< http://nekosachi.com/archives/256>も参照してください。

液剤の場合

愛猫を机の上または抱きかかえる等により、動けないようにします。抵抗が激しいようであれば、首から下をタオルでくるむと良いでしょう。利き腕ではない方の手で猫の頭を固定し、上を向かせます。利き手で点眼薬の瓶を持ち、顔を固定している手の指と点眼薬の瓶を持っている手の指等を使って、さしたい方の目を開かせます。点眼薬の瓶先が目につかないように少し離れたところから薬を1〜3滴ほど垂らします。(薬の量は処方に従ってください)なお、明らかに愛猫の目に異物が入ってしまったという場合は、ストローで水道水を吸い上げ、上側の口を閉じた状態にし、上の要領で少しずつ閉じた口を開いて水を流すと、目に入った異物を洗い流すことができます。その際、くれぐれもストローの先が目につかないように気をつけてください。また、そういう場合は猫の方も興奮していますので、どうしてもやらせてくれないこともあるでしょう。その場合は、せめてお湯に浸して固く絞った温かいタオルで目の周りを拭いてあげましょう。タオルの温度は人肌程度が適当です。

軟膏の場合

綿棒の先に軟膏薬を1〜2mm程度塗っておきます。液剤の場合と同じように愛猫を動けないようにし、塗りたい方の目尻の縁の裏側に、綿棒の先の軟膏を付け、素早く目を閉じたり開いたりさせて軟膏を目の全体に行き渡らせます。綿棒を使わずに、軟膏が入っている器の先で直接点眼することもできますが、筆者は衛生面を考えて綿棒を使っています。

まとめ

猫

たかが涙と軽く考えてきちんと処置をしないでいると、病気の場合は悪化してしまい、愛猫もつらい思いをしますし、飼い主さんも多額の医療費を負担しなければならなくなるかもしれません。「涙が流れるのは自然なこと」と考えず、「ずっと涙が流れているのは病気のサインかも」と考え、放置せずに動物病院で診てもらうようにしましょう。

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