猫を抱きしめる

猫にも人にも安全で落ち着ける猫の抱き方・持ち方

束縛されることを嫌う猫ですが、どうしても抱いたりじっとさせたりしなければならないときがあります。猫によっても好みがありますので、猫の生態を理解した上で、愛猫にも飼い主さんにも安全で、落ち着ける猫の抱き方・持ち方を見つけましょう。

猫の正しい抱き方・持ち方を知っていますか

猫

我が家に初めて猫がやって来たのは、本当に突然のことでした。ご近所に猫の保護をしている方が住んでいるのですが、その方から突然子猫を2匹引き取ることになったのです。立ち話をしていて突然そういうことになったので、トイレやペットシーツなど、必要なものを揃える時間を頂いただけで、猫とどのように付き合えば良いのかなどを調べる時間はありませんでした。もちろん、予めじっくりと準備をした上で猫を迎える方もいるでしょうが、突然迎えることになってしまったという方も多いのではないでしょうか。その場合、初めて会った猫をどうやって持ち上げたら良いのか、どうやって抱けば落ち着いてくれるのか、猫の抱き方や持ち方に悩む方も多いのではないでしょうか。

知識より実践で、何も知らなくても猫を抱くことはできるでしょう。しかし、知らないよりも知っていた方が、飼い主さん自身も安心ですし、猫にも余計なストレスを与えることが減るのではないでしょうか。初めて猫と一緒に暮らす方はもちろん、今まで自己流で猫を持ち上げたり抱いたりして来た方も、猫の生態を知ることで、猫にとっても人にとっても安全で落ち着ける、ストレスフリーな抱き方・持ち方について考えてみませんか。

猫が嫌がる抱き方

猫を抱っこ

まずは、猫が嫌がる抱き方について考えてみましょう。そうすれば、猫が嫌がらない抱き方がどのようなものかが見えてくるはずです。

束縛度の高い抱き方

猫は、「いつも自分に関心を寄せてほしいが自分の邪魔はされたくない」という動物です。そのため、ぎゅっと固く抱きしめられて身動きが取れなくなってしまうような抱かれ方を嫌がります。抱くということは逃げ出されては困る状況なので、全く束縛しないということはできません。しかし、全く自由に動けなくしてしまうような抱き方は、避けるべきです。

痛い・苦しい

誰でもそうでしょうが、痛かったり苦しかったりするような状況を好む人はいません。それは猫でも同じことです。抱かれることで体のどこかが痛かったり苦しかったりすれば、なんとかして逃げ出そうとするのは当たり前です。親猫は、子猫の首をくわえてぶら下げたまま移動します。子猫は、首をくわえられると、本能的に抵抗をせず、親猫が移動しやすい姿勢をとります。ただし、これは子猫が非常に軽いからだと思うべきでしょう。大人になった猫に対して、人が首の皮をつかんで持ち上げたまま移動させるという行為は、よほどの事情がない限り避けるべきでしょう。

恐怖心を抱かせる抱き方

痛い、苦しいだけではなく、恐怖心を抱かせるような抱き方もよくありません。どのような抱き方が恐怖心を抱かせるのかは、飼い主さん自身が愛猫になったつもりで考えてみれば分かることです。のんびりしていたところを突然後ろから抱き上げられる、不安定で頼りない状態のまま移動するなどは、猫にとって恐怖心を抱かせるのではないでしょうか。また、動きが必要以上に速いとか、逆にもたもたしているのも不快感を与えるかもしれません。猫は、嫌な思いをしたことは忘れません。よほどの場合でない限り、猫に恐怖心を抱かせるような抱き方をして、必要以上に警戒させるようなことは避けるべきです。

仰向けに抱く

猫にとって、骨に守られていないお腹を他人に見せることはとても危険なことです。そのため、お腹を上にして仰向けになっているのは、心の底から安心してリラックスしている証しです。その仰向けの姿勢を強要されることは、猫にとっては歓迎できかねない事態です。日常的なケアを行うために仰向けにさせたいこともあると思いますが、それはしっかりとした信頼関係が構築されてからにしましょう。

安全で落ち着ける猫の抱き方

猫を抱っこ

ではどのような抱き方が、猫にも人にも安全で落ち着けるのでしょうか。猫の健康状態や性格、飼い主さんとの関係性にも影響されますので、「これが正解!」という方法はありません。しかし、前述の「猫が嫌がる抱き方」から正しい抱き方・持ち方の基本的な考え方を導き出すことができます。

迎えたばかりの子猫の抱き方・持ち方

迎えたばかりの子猫を上手に抱くために必要なのは、子猫と飼い主さんとの間に信頼感を構築することです。そのためには、時間がかかります。焦ってしまい、信頼関係が構築できる前に無理やり抱いてしまうと、抱っこ嫌いの猫になってしまうことが多いので、とにかく焦らずに時間をかけてください。ポイントは、猫が飼い主さんに近づいてくるのを待つことです。それまでは、常に猫のことを意識しながらも、必要以上に猫に接触することは避けます。猫から少し距離を置いたところに座り、飼い主さんの目をなるべく猫の目の高さに合わせます。そして、必要なときは優しく落ち着いた声で呼びかけましょう。

毎日顔を合わせていれば、そのうち猫の方も警戒心を解いてくれます。猫が近づいてきたら、下の方からそっと手を伸ばします。このとき、上の方から手を伸ばすと猫が怖がりますので気をつけてください。胸の下に手を入れ、反対側の手をお知りの方に回します。そして、猫を全体的に包み込むようにして抱き上げます。抱き上げる途中、決して物を持ち上げるような扱いはせず、優しく抱き上げましょう。抱き上げたら、体重をお尻側に7、胸側に3程度の割合に分散させて抱いてあげましょう。

成猫の抱き方・持ち方

猫がリラックスしているときに、猫に見えるように近づきながらこれから抱き上げるということを優しく穏やかに伝えます。そして、猫の横から脇の下に手を入れます。そのままゆっくりと持ち上げながら反対側の手でさっとお尻の下を支えます。そのままゆっくりと抱き上げます。猫を胸のあたりまで抱き上げたら、猫の顔をこちらの方に向かせます。お尻の下を支えたまま、前足を飼い主さんの肩に乗せます。あとは猫に任せて落ち着けるような体勢を自分で探させてあげましょう。猫の顔を飼い主さんの方に向けるのではなく、正面を向かせて抱く場合も、前足は飼い主さんの腕の上に乗せるようにすると落ち着きます。

ポイントは、抱き上げる途中も物を持ち上げるような扱いにはしないことです。後ろ足が伸びてぶら下がるような状態が極力短くなるように、お尻や後足を支えた形で抱き上げるようにしましょう。また、高齢の猫の場合は背骨や腰骨、脚の関節等に痛みを抱えている場合が多いので、猫の痛がる場所にはなるべく触らないように気を遣ってあげましょう。いずれにしろ、猫が落ち着いて抱かれてくれる体勢になれば、猫が嫌がって暴れることがなくなりますので、飼い主さんにとっても安全で落ち着ける抱き方になるという訳です。

抱っこを嫌がらない猫に!

猫を抱きしめる

どんなに抱っこ好きな猫でも、長時間抱かれていることはありません。むしろ、抱かれることを好まない猫の方が多いかもしれません。しかし、動物病院に連れて行くとき、危ない場所に入ろうとしたとき、万が一の災害時等、どうしても猫を抱かなければならないことも少なくありません。また、爪切り、ブラッシングや歯磨きなどの日々のお手入れや、病気になって薬を飲ませる時等、愛猫を抱かなければならないことは数多くあるのです。猫と一緒に暮らし始めたら、少しずつ、でもしっかりと猫との信頼関係を築き、抱っこを嫌がらない猫になるよう、優しく、でもしっかりとしつけることが大切です。

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