猫 ワクチン

猫のワクチンについて知ろう!~種類や接種時期、必要性などを徹底解説~

猫のワクチンについては、完全室内飼いが徹底されはじめてからは特に重要視されなくなった傾向にあります。しかしながら、ワクチンで予防できる病気の多くは死を招くものもあり、室内で生活しているからといって100%感染しないわけではありません。人間が感染源を日々外から持ち込む「飼い主からの感染」、唾液、排泄物などが乾燥して空中に舞い感染する「空気感染」、母乳によって感染する「母子感染」など感染源は猫の周りにたくさん潜んでいます。たかが数回、また年に1回の注射で自分の猫の命の安全度が高まるのであれば、接種した方が良いのは言うまでもありません。感染症のリスクを抱えながら暮らしたり、最悪猫を失うことも考えられます。そんなことになる前にワクチンの接種についてよく考える必要があります。

猫のワクチンとは、無毒化(または不活性化)した病原体を予めワクチンで猫の体内に入れます。ワクチン接種により予め病原体が体の中にある猫については、その感染症がもつ病原体に対して免疫がついているので、その病気に感染しにくくなります。これがワクチン接種で予防を防ぐメカニズムです。ワクチンを接種すると、かなり高い確率で該当する感染病には感染しなくなりますが、100%感染しない、ということではないので注意が必要です。

猫のワクチンの注意点

猫 ワクチン

猫のワクチン接種について注意したいこと4つあります。

1、健康な状態でない猫にはワクチン接種はさせない。ワクチン接種の前は、猫に元気があるか、食欲があるか、便は正常か、尿は正常かをしっかりと確認する。
2、無毒化(または不活性化)した病原体を予めワクチンで猫の体内に入れるため、接種後に体調を崩す猫がいます。副作用については、ワクチン接種後3日は猫に異常がないか様子をしっかり見てあげる。
3、ワクチン接種後は「安静」第一で、興奮やストレスを避ける。ワクチン接種後3日は激しい運動、シャンプーはしない。
4、猫が何かしらの病気で薬を服用している場合は、ワクチン接種前に獣医師に相談。

猫のワクチンの副作用

猫

猫のワクチンの注意点でもお話ししましたが、猫のワクチンには副作用が出る場合があることを十分に理解しておく必要があります。副作用が出たら、軽いものであっても必ず動物病院に連絡しましょう。

主な副作用
ワクチンを接種した場所に炎症が起こる・顔がむくむ・じんましんがでる・目の周りが赤くなる・食欲がなくなる・熱が出る・元気がなくなる・くしゃみをする・鼻水をたらす など※ワクチン接種後2時間~3日以内を目安に症状が出る可能性があります。必ず動物病院に連絡をして、獣医師の判断をあおぎましょう。
重度な副作用
呼吸困難・痙攣・よだれ・嘔吐・ショック・血圧低下 など※上記のようなアナフィラキシーショックに関しては、ワクチン接種後15分~1時間以内に症状がでます。命にかかわり、緊急を要するのですぐに動物病院へ駆け込む必要があります。
猫のワクチンの接種時期
猫のワクチンの接種時期は母親猫の初乳と関係しており、初乳に含まれている仔猫を守るための免疫抗体の免疫が薄れてくる頃に1回目のワクチンを接種します。1回目のワクチンで病原体から体を守る基盤をつくった抗体をさらに強化するために、2回目のワクチンを接種します。
1回目ワクチン:「生後2ヶ月頃」に接種
2回目ワクチン:「1回目のワクチン接種日の1ヶ月後」に接種
2回目以降::「2回目のワクチン接種日の1年後」に接種
(以降、年1回のワクチン接種)※病院によっては、2回目ワクチンの1ヶ月後に3回目を接種する場合もあります。

猫のワクチンの種類

ワクチン

猫の感染症予防のためのワクチンには以下の6種類があります。

・3種混合ワクチン
・4種混合ワクチン
・5種混合ワクチン
・7種混合ワクチン
・FIVワクチン(単独ワクチン)
・狂犬病ワクチン(単独ワクチン)

猫のワクチン接種で予防できる7つの病気

猫

3種混合ワクチンで予防できる病気
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症 FC-7
・猫汎白血球減少症
※完全室内飼育の猫にも最低限「3種混合ワクチン」を接種することをおすすめします。これら3つは、非常に感染力が強い病気で空気感染します。
4種混合ワクチンで予防できる病気
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症 FC-7
・猫汎白血球減少症
・猫白血病ウイルス感染症
5種混合ワクチンで予防できる病気
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症 FC-7
・猫汎白血球減少症
・猫白血病ウイルス感染症
・猫クラミジア感染症
7種混合ワクチンで予防できる病気
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症 FC-7
・猫汎白血球減少症
・猫白血病ウイルス感染症
・猫クラミジア感染症
・猫カリシウイルス感染症 FC-28
・猫カリシウイルス感染症 FC-64
FIVワクチン(単独ワクチン)で予防できる病気
・猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)
狂犬病ワクチンで予防できる病気
・狂犬病

猫のワクチンについての論議

猫

猫のワクチンについては、副作用もあるので全てがプラス、というわけでもありません。猫のワクチンについては肯定派、否定派があり、否定派の意見も踏まえて検討する必要もあります。

猫の混合ワクチンの一度に多く接種する抗体の作用について

混合ワクチンは、一度に多くの感染症の抗体を接種することにより多くの感染症予防につなげます。飼い主からすると、価格も単体で行うより安く、病院に行く手間も省け、また猫の通院によるストレスも軽減できるメリットがあるのが混合ワクチンです。一方で、一度に多くの感染症の抗体を猫の体に入れると、個体差はあるものの、猫にもともと備わっている「免疫系能力の限度」を超えてしまうケースがある、という考え方もあります。

猫のワクチン接種によって引き起こされる病気について

猫のワクチン接種後に引き起こされたということで、過去のワクチン接種による病気の誘発が未だに議論されています。猫がワクチンを接種した部位に「繊維肉腫」が新たに発症した例があげられています。その他にもワクチンが「白血病のウイルスに対する感染」、「猫伝染性腹膜炎」の引き金にもなったのではないか、という事例があります。

猫の混合ワクチン接種に関連する「慢性疾患」について

様々なウイルスを体内に入れることにより、体内の自然のエネルギーを乱して猫に「昔はなかった新たな病気」を引き起こしているという論議がされています。アメリカの獣医師たちが多く取り上げている議論です。

まとめ

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猫のワクチンについて、メリット、デメリット含めて色々な局面から説明しましたが、デメリットもある中でもワクチン接種は感染症の予防、猫を守るためには必須だと私は考えています。紹介させていただいた「議論」のような課題点がまだまだ猫のワクチンに関してあるという事実は無視できませんが、あくまでこれはほんのわずかな事例にすぎません。「猫がワクチンを接種して亡くなる可能性」と「猫がワクチンに対応している感染症にかかって亡くなる可能性」とどちらが高い確率かは言うまでもありません。
日本のワクチンは接種率がほんの10%(2015年度)であったとの報告もあり、日本は「ワクチン後進国」とも言われるほどです。猫の幸せな生活維持のために、ワクチン接種にあたっての注意事項を踏まえた上で、もう一度ワクチン接種の重要性について考えましょう。最愛の猫を感染症から守れるのは飼い主だけです。

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