ユリと猫

猫がユリを食べると危険!ユリ中毒とその予防法

ユリの花は人気があり、人から頂いたり、自宅で栽培したりしている方も多いことでしょう。しかし、ユリは、猫にとってとても恐ろしい中毒症状を引き起こす植物です。知らずにいて猫に苦しい思いをさせることのないよう、猫のユリ中毒とその予防法などについて解説します。

心優しい人は動物や植物を育てるのが好き

散歩

博愛主義者とまではいかなくても、心優しい人には動物や植物を育てるのが好きな人が多いようです。犬や猫と一緒に暮らしながら、庭や室内で植物を育てているという方も多いのではないでしょうか。タマネギやイカなど、人が日常的に食べている食材でも、犬や猫には有毒な食材があることをご存知の方は多いと思います。同じように、人には何の害もないため、身の回りで多く栽培されている植物の中には、猫にとって有害なものも沢山あるのです。その中でも、特に猫にとって怖い中毒を引き起こすのがユリです。今回は、猫のユリ中毒について解説します。

植物中毒の中でもユリ中毒は特に怖い

ユリ

ユリ中毒は、ごく少量でも中毒症状を引き起こし、かつ猫の腎臓組織を破壊するため、猫にとってはとても怖い中毒です。しかも、中毒症状を引き起こすのは猫だけなので、ユリが中毒を引き起こすことを知らない方が多いようです。また、今までは犬とだけ一緒に暮らしていて、普通にユリを育てていたという方が、ある時急に猫も引き取ることになったなどという場合は、ユリの怖さに気づかずに、ユリと猫を同居させてしまうかもしれません。また、ユリは花束として頂くことも多い花です。誕生日や記念日等、ユリの花束を頂く機会もあることでしょう。頂いた花束を自宅に持ち帰り、しばらく花瓶に活けて楽しむ機会も少なくないかもしれません。そのため、猫と一緒に暮らしている方は、ユリ中毒についてのきちんとした知識を身につけておくべきだと言えるでしょう。

ユリ中毒

ユリ

では、ユリ中毒についてみていきましょう。

##特に怖いユリ科の植物

ユリには、100以上の種類があります。その全てに注意すべきですが、猫にとって特に危険なのは、テッポウユリ、オニユリ、コオニユリ、鹿の子百合、キスゲ各種の5つだと言われています。この5つのユリは、特に致死率が高いと言われていますので、絶対に猫の周囲で栽培したり活けたりしないようにすべきです。

##有毒な部位

前述の通り、ユリは猫に対してだけ中毒症状を引き起こします。それも、花、葉、茎だけではなく、花粉を舐めたり、ユリが活けてあった花瓶の水を飲んだりしただけでも中毒症状を引き起こしてしまうのです。つまり、ユリの花のどこをとっても猫には有毒な部位だということです。しかも、大量に食べてしまわなくても、ほんの少量を口にしただけで中毒症状を引き起こしてしまうのです。猫は、今までなかったものが出現すると、必ず近くに寄って匂いを嗅いで確認するという習性を持っています。頂いたユリの花束を花瓶に活けて居間に飾った場合、猫は必ずユリの花に近寄って、花に鼻を寄せて匂いを嗅ぐはずです。その時に、花粉が体内に入ってしまう可能性は、決して低くはないでしょう。

##ユリ中毒の症状

ユリ中毒によりダメージを受けるのは、腎臓です。そのため、ユリ中毒により現れる中毒症状は、急性腎不全の症状と同じような症状です。具体的には、下痢、嘔吐、食欲不振、過剰な流涎(大量なよだれ)、沈うつ、運動失調、乏尿(おしっこが少ない・出ない)などです。そして、猫にもよりますが、本当にごく少量で中毒症状を発症し、治療をしてもなかなか回復せずに一週間程度で亡くなってしまうことが多いようです。また、腎臓細胞は再生できません。そのため、腎臓病が完治することのない病気であるのと同じように、ユリ中毒でダメージを受けた腎臓の機能が回復することもありません。たとえ一命をとりとめたとしても、腎臓のダメージを持ち続けて生活をしていくしかなくなるのです。ユリ中毒が怖いと言われる理由の一つでしょう。

##ユリ中毒の対処法

実際にユリで猫が中毒を引き起こしたという事例は、数多く報告されていますが、ユリのどの成分が猫にとって有毒なのかについては、いまだに解明されていません。そのため、解毒剤を作ることができません。したがって、ユリ中毒になった猫に対する対処法としては、体内に入ってしまったユリの成分を体外に排出させることしかできません。家庭内で猫を嘔吐させるのは危険ですので、猫がユリを口にしてしまった場合は、たとえ症状が出ていなくても、すぐに動物病院に連れて行くべきです。猫がユリを口にしたことを話せば、点滴と胃洗浄により猫の体内からユリの成分を体外に排出するための処置をしてくれるはずです。

ユリ中毒の予防

ユリと猫

ユリ中毒は、ごくわずかの量でも死に至る可能性のある怖い中毒です。予防策としては、ユリを猫の周りに持ち込まないということが一番です。猫にも届かないような場所なら大丈夫だろうとは考えない方が良いでしょう。花粉が床に落ち、それを舐めてしまう可能性もあるのです。また、ユリを活けた花瓶の水を取り替える場合にも、花瓶の中の水が猫の口に入るような場所に飛び散ったり置きっ放しにしたりしないよう、十分な配慮が必要になります。また、野良猫駆除と称して、猫の餌に粉状にしたユリの葉を混ぜたものを仕掛けている人もいるようです。このような餌を食べてしまう事故を避けるためにも、愛猫は外に出さずに完全室内飼いすることを推奨します。

まとめ

猫

ユリに限らず、私たちの身の回りには、猫にとって危険なものが沢山あふれています。猫が口にしてはいけないものを口にしてしまい、中毒症状を起こしてしまった場合、それが猫にとって危険なものだとは知らなかったと言っても何の言い訳にもなりません。猫と一緒に暮らしている、または暮らそうと考えている飼い主さんは、積極的に勉強をし、猫にとって安全で幸せに暮らせるような住環境を提供する義務があると考えるべきです。そうすることで、猫にとってはもちろん、飼い主さん自身も安心して猫と楽しく暮らすことができるはずです。

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