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猫が血便をしたら要注意!考えられる出血部位と4つの主な病気

弱っていることをなかなか飼い主に見せない猫ですが、便の状態から健康状態を確認することが出来ます。猫は言葉で話せないので、健康のパラメーターである便の状態で体の状態を確認する必要があります。また便は猫によって個体差があり、色、固さ、回数などはその猫によって様々です。日頃の自分の猫をよく観察して、正常か異常かを判断する基準をつくっておく必要があります。いつもと違う便だったら何らかの病気を疑い、早めに病院で受診することをお勧め致します。気づいたときには手遅れ、という最悪の事態とならないよう日頃の便の観察で病気の早期発見につとめることが非常に大切です。

便の異常というと、下痢、タール状の便、固すぎる便など様々ですが、中でも恐ろしいと言われているのが血便です。実際には血便の原因は重度の病気から軽度の病気、また単なる痔や便秘が原因の場合もあります。また一言で「血便」と言っても血便の形状は様々で、その形状によって体のどの部分が悪いのかを大まかに予測することも可能です。猫の血便の状態から分かる出血部位の予測と、血便をした時に考えられる3つの主な病気について、検査方法、治療法、同時に起こりうる他の症状を交えてご紹介致します。

猫の血便の状態から分かる出血部位の予測

猫

猫が食物を口にし、その食物が胃に入って小腸、大腸を通り、肛門から排出されるまでに通るルートで何かしらの異常があると血便が出ます。その排出された血便の状態によって体のどの器官で異常が発生したのかを推測することが可能です。

① 鮮血が便全体に混ざりこんでいる血便
小腸から大腸前半部分からの出血の可能性が高いといえます。
② 鮮血が便の表面にだけついている血便
大腸の後半部分である直腸、または肛門近辺での出血の可能性が高いといえます。
③ 全体が血の色で下痢状の血便
胃や腸からの出血の可能性が高いといえます。
④ 便全体が黒っぽい血便(メレナ)
 口内での出血からはじまり上部消化管(胃や十二指腸など)、または小腸での出血の可能性が高いといえます。

血便から考えられる4つの主な病気

猫 トイレ

猫が血便をしたときの原因はとても多く、何の病気かの判断が難しいと言われておりますが、主な原因として下記の4つの病気を疑うことができます。

① 胃腸炎
② 腸腫瘍
③ (ポリープ)
④ 肛門囊炎(のうえん) 
①胃腸炎
胃腸炎とは何らかの原因で胃や腸管に炎症が起こる病気のことを言います。細菌、ウイルス感染、異物誤飲や冷たいものを食べることによって起こります。胃腸炎の中でも「中毒が原因の胃腸炎」や「猫ウイルス感染症が原因の胃腸炎」、「パルボウイルスが原因の胃腸炎」で重篤化した胃腸炎の場合に血便がでる可能性が非常に高まります。
検査方法
問診、身体検査、便検査など(原因を確かめるためには、上記の他にレントゲン検査やエコー検査、また内視鏡検査を行う場合があります)
治療法
薬での治療が主な治療法となり、重症化すると必要に応じて点滴の処置が行われる場合があります。薬での治療は、症状によって吐き気止め、下痢止め、粘膜保護剤、抗生物質、整腸剤などを使用します。
同時に起こりうる他の症状
 嘔吐、下痢、脱水症状、食欲低下、元気消失など
② 腸腫瘍
腫瘍とは簡単に言うと細胞の異常増殖と言え、体に不必要な細胞が増え続けて正常な細胞を破壊しながら増殖します。両性と悪性とがありますが、悪性腫瘍については特にその増殖スピードがとても速く、命を奪う危険性が非常に高いことで知られています。また、腫瘍と一言で言っても様々な種類がありますが、主に上部消化管や十二指腸の腫瘍の場合は嘔吐が続くことが多く、小腸の腫瘍の場合は体重の減少や下痢が続く場合が多いと言われています。ここで紹介している猫の血便については、腫瘍の中でも「直腸の腫瘍」の可能性が非常に高いと言われています。
検査方法
問診、身体検査、血液生化学検査、細胞診断学検査、病理組織学検査、X線検査、超音波検査、CT検査、MRI検査など(CT検査やMRI検査については、病院によっては専用の検査機がない可能性も高いため転院、または検査のみ他の病院で行う可能性があります)
治療法
部位や進行状況により様々ですが、一般的には外科手術による腫瘍の摘出、抗がん剤、放射線治療、緩和療法などが行われます。
同時に起こりうる他の症状
 出来物、嘔吐、下痢、食欲低下、体重の減少、元気消失など
③ (ポリープ)
腫瘍について上記で触れましたが、ポリープは良性腫瘍の1つと考えられます。胃、腸、膀胱のように管状になっている器官、また袋状になっている臓器の粘膜上の隆起した出来物をポリープと呼びます。ポリープの中で主に血便を症状とするものに、大腸や大腸周辺の器官のポリープが挙げられます。
検査方法
問診、身体検査、血液生化学検査、細胞診断学検査、病理組織学検査、X線検査、超音波検査、CT検査、MRI検査など(CT検査やMRI検査については、病院によっては専用の検査機がない可能性も高いため転院、または検査のみ他の病院で行う可能性もあります)
治療法
外科手術による摘出が一般的で、内視鏡による切除と摘出、内視鏡で対応できないポリープについては開腹による切除、摘出が行われます。
同時に起こりうる他の症状
 出来物、嘔吐、下痢、食欲低下、体重の減少、元気消失など
④ 肛門囊炎(のうえん) 
肛門腺絞りを怠ったり、運動不足や肛門嚢管である肛門嚢と肛門とをつなぐ管が詰まることによって起こるのが肛門囊炎(のうえん)です。肛門囊炎(のうえん)の発症経緯は、第1に分泌液が肛門嚢の中にとどまり、そのまま放出されない現象が起こります。次にその滞留した分泌液の中で細菌が繁殖し、その細菌を取り除くために免疫系が活性化して炎症が起こります。この免疫系の活性化によって最終的に炎症が起こることを肛門囊炎(のうえん)と言います。
検査方法
問診、身体検査(目視検査)が主となります
治療法
肛門絞りと投薬が主な処置となりますが、これらに効力がない場合や慢性化する場合には、肛門嚢を手術で切除する外科療法も考えられます。その他、病院での処置以外でも、慢性化させないためには自宅での日常生活に注意が必要です。定期的な肛門絞り(可能であれば病院で)や運動不足の解消などの生活習慣病の改善が必要となります。
同時に起こりうる他の症状
 お尻を頻繁に気にする(舐める・床に擦り付けるなど)、食欲低下、元気消失など

まとめ

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猫が血便をした時に考えられる体内の出血部位と考えられる4つの主な病気を紹介しましたが、猫が血便をしたらすぐにかかりつけの獣医に相談しましょう。その際に獣医に日頃の便の状態、回数、臭いなども伝えて便の異常について説明すると良いでしょう。また病院へ行く際に、猫の血便を持参しましょう。便は乾燥しないようにラップやビニール袋に入れて持っていくことをお勧め致します。

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