母猫と子猫

猫の代表的な毛色と模様と〜豊富な猫の色柄の秘密とは〜

人間の髪色や肌色にも個人差があるように、猫にも様々な毛色と模様があります。黒、白、トラ、三毛、サビ…、あなたはどんな毛色の猫ちゃんが好みですか?同じ親から生まれた、きょうだい猫でも全く違う毛色をしていることも、しばしばあります。母猫とも、父猫とも違う毛色や柄の子猫が生まれてくるのは、なぜなのでしょう。今回は、そんな猫の毛色の謎についてご紹介致します。

どうして両親とも違う毛色の猫が生まれるのか

猫大集合

同じ親から生まれて来た子猫なのに、なぜか、きょうだいで毛色が違う事があります。私たち人間の世界だったらギョッとしてしまう出来事ですが、猫の世界ではなんら不思議な出来事ではありません。猫の毛色、柄に関する遺伝子は、およそ20種類以上あるといわれています。その豊富な種類の遺伝子が複雑に作用しあって、生まれてくる猫の毛色を決めています。猫は多胎動物で、一回の出産で3~5匹の子を産みます。一卵性ではないので、同じきょうだいでも、それぞれが違う遺伝子を受け継ぐ事によって、家族で毛色が違ってくることがあるのです。また、野良猫などの場合には発情期に複数の猫同士で交わる事が多いです。

そのため、同時に生まれながら“異父きょうだい”になるため、やはり、きょうだいで毛色が変わってくる要因のひとつになります。いっぽう、純血種の猫はもっている毛色の遺伝子が少ないため、固定された毛色になりやすいです。代表的な品種では、ロシアンブルーがイメージし易いでしょうか。ロシアンブルーといえば、グレー一色の特徴的な被毛がトレードマークです。純血種でもスコティッシュフォールドやアメリカンショートヘアなどは毛色が固定されておらず、シルバーの子もいればゴールドの子もいるなど、毛色も柄も豊富です。

猫の代表的な毛色と模様

母猫と子猫

私たちの身近にいるイエネコの祖先は、リビアヤマネコであったといわれています。リビアヤマネコはブラウン・マッカレルタビー…いわゆる、キジトラでした。つまり、キジトラが猫の本来の毛色で、そこから突然変異をして現在の豊富な種類にまでなっていると考えられています。

ソリッド

色のムラがなく均一な色で、縞模様など柄も入っていない、完全に無地で単色の毛色です。白、黒の猫がポピュラー。

バイカラー

ベースにもう1色入った毛色のことです。例えば白ベースに、黒で額から耳にかけてハの字に色が付いているハチワレなど。口元にヒゲのように白が入ったチョビヒゲも可愛いですね。バイカラーにも、ブルーやレッドなど様々な色があります。

キャリコ

ベースの色にさらに2色が入った、三毛猫のことです。また、“ダイリュートキャリコ”という珍しい三毛猫もおり、パステルカラーの薄いキャリコです。ちなみに、三毛猫は遺伝子の関係で基本的にはメス猫しかいません。

ポインテッド

ベースの色に、顔や耳、脚、尻尾など身体の先端に色が入った猫で、シャム猫が代表的です。ポイントの色によって4種類にわけられます。黒に近いこげ茶のポイントが、“シールポイント”。シールポイントより薄めの茶色が、“チョコレートポイント”。珍しいもので、グレーのポイントが入った“ブルーポイント”。さらにブルーポイントの薄い、“ライラックポイント”が最も珍しいといわれています。

ティップドカラー

毛の先端に色が付き、皮膚に近づくにつれて薄くなっている毛色です。色の付いている割合によって、さらに呼び名が変わってきます。一本の毛のうち先端から1/4~1/3程度に色がついている場合は、“チンチラ”。1/3~1/2では“シェーデッド”、1/2~3/4では“スモーク”と呼ばれます。

パーティーカラー

いわゆるサビ猫で、“トーティシェル”と“ブルークリーム”が代表的です。“トーティシェル”とは、鼈甲(べっこう)模様という意味で、黒と赤茶色のモザイク模様です。“ブルークリーム”は、トーティシェルに比べて色が薄くグレーとクリーム色のモザイク模様です。ちなみに、パーティーカラーが出るのは三毛猫同様、メスの猫だけです。

タビー

縞模様のことで、多くの場合額にローマ字のMに見える模様が入るのも特徴です。 “クラシックタビー”は渦を巻いたような縞模様で、アメリカンショートヘアが代表的です。いっぽう、日本猫に多いのが“マッカレルタビー”で、縦の縞模様が平行に入っています。マッカレルは英語で魚のサバを意味しています。

スポッテッドタビー

ヒョウ柄のような斑点模様です。本来、自然発生したスポッテッドタビーは、エジプシャンマウ特有のものでした。ベンガルやオシキャットも有名ですが、それぞれ異種交配などによって発生した斑点模様です。

アグーティタビー

アビシニアンが代表的です。一見、縞模様ではないように見えるのですが、実は毛の一本一本が細かな縞模様になっているのです。そのため、全体で見ると縞模様が分かりづらいのですが、タビーの一種なのです。また、よく見ると額にはタビー特有のMの字があります。

ロシアンブルーなのに白猫が?

ロシアンブルー

細身の体つきに、ベルベットのような触り心地、グレーの被毛が特徴のロシアンブルー。「ブルー」というのは、青みがかったグレーの被毛のことです。名前に入っているくらいなので当然グレーの猫なのだと思いがちですが、実は稀に白いロシアンブルーが誕生することがあるのです。厳密には「ブルーポイント」で、白ベースに鼻、耳、脚先、尻尾などの身体の先端にグレーで一部ポイントが入った毛色です。見た目はシャム猫のようですが、れっきとしたロシアンブルーなのです。両親とも、被毛がグレーのロシアンブルーだったとしても、白い子猫が生まれる可能性があるのです。このように、雑種でない品種の猫でも稀に毛色違いが起きることがあるのです。

そもそも、ロシアンブルーにブルーポイントが生まれる理由は、かつて戦争によって純粋なロシアンブルーの個体数が激減したことがあります。その時、激減してしまったロシアンブルーの種を維持するために当時のブリーダーがシャム猫や、ブリティッシュショートヘアと交配したのです。
ブルーポイントの遺伝子は劣勢のため、基本的にはグレーの被毛の子猫が生まれるのですが、ブルーポイントの遺伝子が受け継がれたロシアンブルー同士が交配すると稀にブルーポイントが生まれてくる事があるのです。

ちなみに、ロシアンブルーのブルーポイントは“ミスカラー”と呼ばれ、TICAやCFAなどの国際的な猫血統登録団体に「ロシアンブルー」として登録することはできないとの事です。しかし、とても可愛らしいロシアンブルーなので、一般家庭でペットとして迎えるには人気もあるようです。

まとめ

猫

いかがでしたか?実は、猫の毛色の種類や呼び名は細かく分類していけば、まだまだあるのです。今回は一部をざっくりとご紹介しました。また、三毛猫やサビ柄はメスしか発生しない、と書きましたが実はとっても珍しいオスの三毛猫やサビ猫も存在するのです。なぜオスの三毛やサビ猫が生まれてくるのか。それは、遺伝子の話になってきてしまい、少しややこしい話なのでまたの機会にご紹介できればと思います。

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